「赤塚不二夫のことを書いたのだ!!」




子供の頃、実家のすぐ近くに三つの大学がありました。
実家は住宅地のど真ん中にありますが、
近所には「賄い付きの下宿」がいっぱいありました。
小学生の私にも、
自然と大学生の友人(?)が多数出来て、
よくその友人(?)の部屋に遊びに行って、
ちょっとエッチな本だの、
親の前では読めないような本を見せてもらったっけ。
・・・懐かしいなぁ〜。




話は少しそれますが、
十余年後、私が大学生になって、
高尾に独り暮らしをした時に、
南浅川でフナ釣りをした際に、
友人(?)となった小学生を、
アパートに招待したら、
「変な誘いは止めてください。」
と、その子の母親にひどく怒られました・・・。
・・・厭な時代になったもんです。




さて話は戻り、
その頃の大学生の友人(?)の一人の本棚に、
天才バカボン」がありました。
理工学部で航空力学を学ぶ彼。
彼のその他の蔵書には、
まったく小学生向きの作品はありません。
彼の部屋に遊びに行けば、
いつも「天才バカボン」を読んでいた記憶があります。




「この本は人生の真理を謳っているのだよ。」




と、篤く語る彼。
こんな真面目な人が、なんでこんなことを言うのだろう。
まったく理解できなかった、今の長男と同い年の私でした。




彼の言葉がいつも心の隅に残っていた私。
二年前、osyou様のブログ、これでいいのだ~ - ブツブツ雑記を読み、
私も改めて、
天才バカボン」を読み直しました。




バガボンド(22) (モーニング KC) [ 井上 雄彦 ]
井上雅彦さんが、
宮本武蔵を、

バガボンド【vagabond】
放浪者。さすらいびと。

と、して描く何十年も前に、
普通のおっさん、
バカボンのパパを、

ばがぼん【▽薄×伽×梵】
《(梵)bhagavatの音写。世尊・有徳と訳す》
1 仏の称号。
2 インドで、仙人や貴人に対して用いる呼称

・・・であると、表現していた赤塚さん。




『賛成の反対なのだ!』
『不思議だが本当だ。本当だが不思議だ』



・・・は、凡夫の迷いそのものであり、




『これでいいのだ!』




・・・は悟りの境地そのものではないでしょうか。




『忘れようとしても思い出せない』




・・・ほど、
人間が抱える矛盾を表した、
哲学的な言葉を、私は知りません。




ただ、この本を読んで、
驚いてしまったのは、
これらの傑作が、
天才・赤塚の独創ではなく、
彼を愛し、集った人々の、
アイディアの結集であったことの、
「意外」でした。




以前、他の事業所にいた頃、
とあるテレビ局によく出入りしていたのですが、
その頃にバカボンのパパとほぼ同じ格好をした、
赤塚不二夫さんとすれ違ったことがあります。
その時赤塚さんが収録前か後かは不明ですが、
その頃毎日二日酔いだった私でも、
赤塚さんがかなり酒臭かった印象が残っています。




赤塚さんは、その数年後に倒れ、
今もそのまま眠ったままだそうですが、
ウツ病が蔓延する現代、
再び起き上がり、軽やかに、




『これでいいのだ!』




・・・を、是非お願い致します。




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