元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】

習志野在住紀尾井町勤務の千葉都民。神社仏閣・歴史散歩、カメラ、自転車、バイクが趣味。ラーメン二郎(京成大久保店ホーム)・蕎麦が大好物。

【坂東番外】【秩父番外】定額山 善光寺 その二

宗派 無宗派 (天台宗別格本山・浄土宗別格本山)
本尊 一光三尊阿弥陀如来
380-0851 長野市善光寺491
公式サイト http://www.zenkoji.jp/




定額山 善光寺 → その一
→ 「善光寺」関連の記事




「七年に一度の盛儀」とされる、
善光寺の前立本尊御開帳ですが、
実際には数え年ですので正確には六年に一度です。
前回はタヤパン、ジャラオの三人でお参りしたことは、
このブログのその一で記事にしました。




一昨年、父を癌で突然亡くし、
それ以来ずっとふさぎ込んでいた母が、
善光寺の御開帳に行ってみたいと、
珍しく自分から言い出したもので、
たまには親孝行のマネごとでもしてみようかと、
たった二人の孫である息子二人を巻き込んで、
一泊二日の信州旅行を計画しました。





愛車プリウス  まだ雪の残る中央アルプス




朝5時半に亡き父の愛車だった、
プリウスで四人習志野を出発。
前日、午前様だった長男は、
まだまだナチュラルハイ状態で妙なテンション。
ほぼ四時間でこの雪の残る中央アルプスを望む、
長野県内のサービスエリアに到達しました。



善光寺  仁王門



さて午前10時過ぎにようやく善光寺門前に到着。
参道は多くの参拝客に賑わい溢れています。
いくら明日が御開帳最終日とはいえ、
この参拝者の数はどうしたんだろう。
明らかに六年前よりもすごい数デス。
どうやら北陸新幹線の開通で、
過去に例を見ぬほどの人出なんだとか。



阿形  吽形  



阿吽が逆の仁王尊にも六年ぶりの再会です。
実はこの仁王尊、高村光雲の製作ですが、
製作の際にその手本としたのは、
あの「仁王さまの股くぐり」で有名な、
松戸の萬満寺の仁王様だったとか。




→ 法王山 萬満寺





仲見世に伸びる回向柱待ちの行列  山門




山門を過ぎて仲見世まで伸びる行列は、
なんと回向柱に触れたい人々の列で、
柱に到達するまで70分の待ち時間とか。。。
理系の次男が「てか別に地面でつながってんジャネ?」と、
しらける一言に諭された訳ではありませんが、
とりあえず回向柱はギブアップ。




釈迦堂  ぬれ仏と六地蔵




代わりといってはなんですが、
釈迦堂の涅槃仏とつながる回向柱に触れつつ、
ぬれ仏と六地蔵をかすめて拝し、
国宝の本堂方面をめざします。



善光寺本堂  内陣参拝に並ぶ行列




さて、本堂前に到達したものの、
やはり内陣参拝もお戒壇めぐりも、
それぞれ70分〜90分待ちという大混雑。



ねじれ柱  お戒壇めぐり入口



それでもやはりその二つは、
折角の機会 なので並びました。
ねじれ柱にも六年ぶりの再会です。
さて、一時間半ほど並んで、
ようやくお戒壇めぐり入口に到達。
わいわい大騒ぎをしながら、
四人とも無事に錠前に触れて、
戒壇めぐりを完了。



回向柱と本堂




その後、内陣参拝も、
一時間ちょっとで無事お参り致しました。





中霊殿  歴代の回向柱




時間の都合から、
中霊殿と資料館を流して参り、
歴代の回向柱で六年前のものと再会して感無量。




解体修理中の経蔵  善光寺を後にする




なんでかこの時期に解体修理中の経蔵を眺め、
まだまだ多くの参拝客で溢れる善光寺を後にしました。




八幡屋礒五郎本店




七味唐辛子の八幡屋礒五郎本店も、
店内ものすごいお客さんの数です。。。
時間はもうお昼ドキをかなり過ぎでいたものの、
どちらの飲食店も皆長い大行列で、
正直もうとても並ぶ気にもなりません。



野沢菜のお焼き  かき氷




参道で名物の野沢菜のお焼きを買って、
歩きながらかじりつく美味さ。
子供らに付き合って食べたかき氷。
いやいやカキ氷なんでおそらく三十年ぶりかもしれない。



牛に引かれて善光寺の顔出し看板




(・ん・)?
この「牛に引かれて善光寺」の顔出し看板おかしくね?。
百歩譲って、牛の顔部分の穴はいいとしても、
もう一箇所はおばあさんの顔の部分ジャネ??
なんで牛の尻に顔出し穴が開いているかな〜。。。
( ´・_・`)

【坂東番外】【秩父番外】北向山 北向観音堂

宗派 天台宗
本尊 千手観音菩薩
386-1431 上田市別所温泉1656
公式サイト http://www.kitamuki-kannon.com/




前回の六年前の善光寺の御開帳参拝は、
坂東三十三ヶ所を巡礼途中のことでしたから、
正確に言えば今回が初の御礼参りになりました。
そしていよいよ念願のこちらに今日お参りすると、
ついに坂東霊場を番外も含めて、
すべてお参りする完全結願を迎えます。
思えば三年前の一人旅の計画も、
すべてはこちらにお参りする為の計画だったのです。



北向観音堂



名前の通り北向きに建てられた観音堂は、
南向きの善光寺と向かい合い、
そのご利益は一体のものとされ、
二つをお参りしなければ、
「片詣り」とも呼ばれています。
この観音堂は、正徳三年(1713)に先代が焼失し、
享保六年(1721)に再建されました。
その後何度か修復を繰り返し、
昭和三十六年(1961)に、
善光寺と同じこの「撞木造り」になったとか。



繭でつくられた山号額の奉納



奉納された額の中に、
土地柄でしょうか、
繭で作られた「北向山」の、
山号額があります。



温泉薬師瑠璃殿  鐘楼と不動堂



観音堂の西側の崖上に、
文化六年(1809)再建の、
温泉薬師瑠璃殿があります。
温泉の効き目に併せて病気を取り除くという、
まさに現生利益の信仰の具体化です。
鐘楼や、不動明王が祀られた護摩堂は、
近年建てられたものと思われます。



愛染堂  愛染桂


観音堂の左側にこの愛染明王を祀る愛染堂。
そして右側に巨大なカツラの大木があり、
愛染桂と呼ばれ霊木とされています。
川口松太郎の「愛染かつら」は、
この木からヒントを得て創作されたそうですが、
はて?確か他でもそんな桂をみた気がする。




→ 本覚山 寳光寺 自性院 (谷中愛染堂)




また、このカツラの木の下に、
別所三楽寺と呼ばれた長楽寺があったとされますが、
現在は現存しておりません。
元禄七年(1694)から現在まで、
こちらはその内の一つ、
常楽寺管理の「観音堂」となっておりますので、
それより以前に廃絶したと思われます。



額堂の仁王  慈覚大師之湯


昔は仁王門もあったのかもしれませんが、
今はなぜか阿吽の仁王尊が
額堂の中に仲良く並んでいます。
参道の川の近くに、
この円仁ゆかりの慈覚大師之湯があって、
今も熱い温泉が渾々と湧き出していました。



北向観音の御朱印  坂東霊場全御朱印



さて、ご朱印を頂戴しましたので、
坂東観音霊場三十三ヶ所と番外二ヶ所、
計三十五ヶ所のご朱印を一同に並べて、
坂東霊場完全結願の御礼と代えさせて頂きます。
ありがとうございました。

崇福山 護国院 安楽寺 〜八角三重塔〜

宗派 曹洞宗
本尊 釈迦如来
386-1431 上田市別所温泉2361
公式サイト http://www.anrakuji.com/



実は北向観音堂お参り前に、
今夜の宿にチェックインしておりまして、
慣れぬ旅館の木の履き物を
カランコロンと鳴らし歩く、
母とワタシと二人の息子。



安楽寺黒門 
不許葷酒入山門



北向観音の参道のすぐ近くにあったのは、
別所三楽寺の一つ、安楽寺の黒門です。
信州最古の禅寺とも言われて、
鎌倉の建長寺と深い関係を持っていたそうですが、
建長寺臨済宗でこちらは曹洞宗
黒門門前にはさすが禅寺らしく、
不許葷酒入山門がありますが、
旅館の部屋でビールを一杯飲んだことは、
どうかお目こぼし願います。
m(_ _)m




安楽寺参道安楽寺山門



欝蒼とした樹々の中に、
この急な石段があり、
この上の山門をくぐると、
巨大な本堂が現れます。



安楽寺本堂
安楽寺本堂内



釈迦如来を祀る本堂。
この本堂のうしろに、
伝芳堂、開山堂と呼ばれる小堂があり、
重文に指定されている、
開山の樵谷惟仙、二世の幼牛恵仁の坐像が、
二つ祀られておりますが、
ガラス張りが反射して、
残念ながら写真はNG。




経堂  経堂内



経蔵は寛政七年(1794)の宝形屋根土蔵造。
ここに寛政十二年(1800)黄檗山万福寺から、
買い求めた黄檗一切経が納されているとか。
ん?今度は黄檗宗っすか??(´・ε・`)



安楽寺境内



さてこの六地蔵等の石仏を通り過ぎ、
お目当ての国宝を目指します。
長野県には現在、先ほどの善光寺本堂を含め、
五つの国宝建築物がありますが、
最初に指定されたのは、
松本城天守とこちらです。



参道から仰ぎ見る八角三重塔  安楽寺の墓地  



国宝安楽寺八角三重塔。
四重にも見えますが、
一番下は裳階というひさしで、
正確には裳階付三重塔となります。
塔というのはお釈迦様の骨である、
舎利を納めた釈尊の墓ですが、
現在世界中の舎利を集めると、
アフリカゾウ二頭分以上あるであろうという話は、
このブログでも度々しております。
元々古いお寺では塔が寺の中心にありますが、
時が経つにつれて塔はだんだんと、
寺域の隅に置かれるようになります。
鎌倉時代開山のこちらの塔も、
この墓地墓域にあります。



八角三重塔近景  八角三重塔の軒下



日本唯一の八角の塔。
実は山の上に登ってみると、
案外アンバランスな形に見えるそうですが、
この塔の設計者は見上げ仰ぐことを、
計算しているのでしょう。
ワタシも山に登るなどと、
あえて不粋なことはやめましょう。
塔には縁や手摺がなく、
柱は直接地面から立ち、
屋根を支える垂木が、
まるで扇のように放射線状に出ています。
これは純粋な禅宗様式なんだそうで、
日本ではこれが唯一ですけれど、
中国では塔は大体八角が普通とか。
こちらの内部にはこれまた何でか、
大日如来が祀られているそうで。。。
なんともとっても不思議な安楽寺さんです。

信州別所温泉 観音様となりの宿 かしわや本店

386-1431 上田市別所温泉1654
公式サイト http://www.kashiwayahonten.com/




かしわや本店   かしわや本店 本館



さて今回の旅行の宿は、
信州別所温泉
北向観音堂に隣接する、
創業百四十余年の老舗旅館、
観音様となりの宿・かしわや本店さん。



ロビー  抹茶とお菓子



車は敷地入口で誘導され、
正面玄関に横付けされて、
意外なことにバレーサービス。
この落ち着いたロビーで、
チェックインを待つ間、
この抹茶と和菓子のサービスが、
とてもきめ細やかな嬉しい心配り。




別所温泉古写真  館内見取り図  



日本武尊発見ともされる、
信州最古の別所温泉ですから、
展示されている古い絵葉書の写真で、
古くからの賑わいが偲ばれます。
ここかしわや本店は、
築百四十余年の本館と、
増改築された新館が、
迷路のようにつながっていますが、
不思議なことに上手く調和されていて、
重厚な雰囲気を醸し出しています。



宮家・華族の宿泊  柏屋の看板



戦前から皇族・華族も宿泊なさっていたようです。
歴史のある看板はロビーの中に掲げられていて、
「柏屋旅館」という漢字表記になっていました。



別館 四季亭   別館四季亭の廊下と中庭




さて、我々の今夜の部屋は、
本館向かいの別館・四季亭です。
部屋に露天風呂が付いている部屋は、
先月の申し込み時すでに全室満室でした。



神楽月の間  部屋の窓から温泉薬師瑠璃殿を望む



我々の部屋は神楽月の間です。
十畳と、次の間六畳の二室。
次の間の窓からは、
北向観音の温泉薬師瑠璃殿が望めます。



露天風呂  岩風呂


お風呂は、露天風呂や岩風呂、檜風呂が、
時間制で、男女・貸切と入れ替わります。




悠々の湯



食前食後、深夜早朝、
なんだかんだと、
ほとんどのお風呂に入りました。



地酒利き酒コーナー  地酒



さて夕食は担当の仲居さんが迎えに来て、
本館二階の食事処に案内されます。
途中、この利き酒コーナーで、
地酒の試飲をさせて頂き、
こちらで選んだお酒を、
後ほど冷やして出してくれるんです。



食事処の個室  献立


食事処は和室の個室ですが、
テーブルにイスですので、
浴衣でも落ち着いて食事が楽しめます。
献立には「○○様」と名前入り。



生ビール  北向観音護摩法要された純米冷酒


まずは生ビールで母と乾杯。
知らず間に申し込んでいたコースは、
酒宴コースとのことで、
先ほど選んだ純米酒が、
北向観音護摩祈祷のミニボトルで、
人数分の4本戴けるようですが、
息子ら二人は未成年。
2本は部屋の冷蔵庫にお願いしました。



信州和牛の柏もちと桑の葉ムース  吸い物 別所豆腐の的真丈



まずは先付、
信州和牛の柏もちと桑の葉ムース。
そして別所豆腐の的真丈のお吸い物。



酒宴 三段重



今回のこの酒宴コースは、
この三段重での料理提供とのこと。



一ノ重  ニノ重 海と川の幸  



六文銭風林火山はためく一ノ重は、
珍味中心の酒肴メニュー。
ニノ重は海と川の幸とされたおつくり。
ヤバイ、こりゃ日本酒に堪らない。



三ノ重 信州和牛  信州和牛石焼



そしてメインと思われる三ノ重は、
信州和牛が鎮座しており、
これを固形燃料で熱した、
石板で焼き頂きます。
こりゃ美味くない訳がない!



鯉茶漬け  わらび餅




食事は味が濃厚な鯉茶漬け。
当然ながら全く臭みはありません。
デザートはやはり名物のわらび餅。
あまり若い客層を見慣れていない仲居さん。
さかんに子供らにご飯が足りたかどうだか、
ずっと心配してくださいましたが、
おかげさまで四人ともに大満足です。



食事処の天袋  天袋の襖の裏


食事を終えた次男が、
築百四十余年の建物に興味津々。
天袋の襖を外し裏側をみると、
帳簿の紙の再利用なんでしょうか、
こんな古文書(?)を発見しました。
f^_^;



部屋に用意されていた夜食  おにぎりとお新香


さて、本館食事処から、
別館の部屋に戻ると、
冷蔵庫に冷えた冷酒、
そして布団の脇のテーブルには、
このおにぎりとお新香の夜食があります。
なんと行き届いたサービスでしょうか!


そして就寝。
朝五時には北向観音から鐘の音が鳴り響き、
とても厳かに朝の目覚めを迎えます。



食事処からの眺め  朝食



朝食も同じ食事処の個室です。
様々な野鳥が朝のさえずりを聞かせてくれます。
夕食後露天風呂に入った母は、
山の斜面から顔を出した、
ハクビシンに驚いたそうで。


りんごジュースと蕎麦



濃厚なリンゴジュースと、
さすが信州の蕎麦は最高。



朝食の重  朝食の重の中



朝食も夕食同様にお重での提供。
これから運転がなければ、
これで朝から一杯やりたかった。
(T . T)



手作り豆腐  温野菜と味噌汁



温泉の湯で湯がいて食べる、
この手作り豆腐が特に美味かったな〜。
味噌汁も変に格好付けていなくて、
具沢山と、信州味噌と出汁で、
朝から胃にスーと沁み渡りました。



コーヒーサービス  談話室 



朝食後のロビーのコーヒーサービスも嬉しい限り。
喫煙者にもこの図書室兼の談話室があるなど、
さすがの心配りに何度も驚かされた旅館でした。
とてもオススメ出来る宿です。
信州別所温泉に行かれる際には、
是非ご利用してみてはいかがでしょうか。