「藪の中」


芥川龍之介の代表作の一つ「藪の中」。
初めて読んだのは高校生の頃でしたが、
それからというもの、
私のものの考え方がまったく変ったように思います。




藪の中で死んでいた金沢の武弘。
姿を消した妻、真砂。
そして捕らえられた盗人、多襄丸。
三人の当事者と目撃者たちの証言は、
皆、真実であるはずなのに、ことごとく食い違う。




事件や事故、国際紛争についてもまったく同じだと思うんですよ。
昔になればなるほど、証言も少なく、あやふやになりますし、
勝者は敗者を悪者に仕立てることも可能ですから
未だに利害関係者のある歴史問題にからむ表現は、
特に慎重に扱うべきだと思います。
つまり「歴史」に何が真実かなんて、
本当は絶対に断定できないことなんじゃないでしょうか。





あくまで、これも歴史の中に残る話ですが、、、




妊婦を捕まえてきて、腹を切り裂いて胎児をとりだす・・・。




これ、誰の所業だとされていますか知ってます??。
答えはなんと二人もいます。(他にもいるかもしれませんが。)
武田信虎豊臣秀次なんですけど、
どちらもその権力を争った末に敗れた二人です。
信虎は息子、信玄から追放されていますし、
秀次は、秀頼のために、
秀吉に切腹を申し付けられ、一族も皆殺しにされています。
でもこの二人が、本当に、同じようにこの、
人とも思えない所業をしていたんでしょうか。





勝者は歴史を作ることが出来るんですよ。





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