- 作者: 荻原浩
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/10/28
- メディア: 文庫
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最近すっかり「荻原浩」さんブログになってしまいましたが、
私のマイブームが燃え尽きるまで、もう少々お付き合いください。
いじめの復讐劇を描いた暗いサスペンスです。
主人公は自ら手をくだすことのなかったものの、
何もしてあげられなかった高校球児です。
高校生たちの会話や、行動は、
爽やかな青春ものであり「荻原」作品お得意の、
洒落の効いた台詞で進行するんですが、
徐々にだんだんと「暴力」や「殺人」が登場し、
この作家とは思われないような陰湿な雰囲気を醸し出していきます。
なんだかスティーブン・キングみたいです。
衝撃のラスト。ガツーンと読者である私がショックを受けます。
なんて悲しい物語なんでしょう。
後味は最低です。
でも。
最後の数頁で、
その後味の悪さは魔法のように消されてしまいます。
笑ったあとに魔法のように泣かされてしまう他の作品と同じです。
なんでしょうか、この作家。
何を読んでもいつも違う驚きが必ず待っています。
あ゛っ、
あんまりびっくりして、電車にカサ忘れちゃった・・・。
かあちゃん、ごめん。
怒らないでぇぇぇぇ。