日比谷公園の中にある松本楼のすぐ横に、
推定樹齢400年、周囲6.5m、高さ20mの
見事な大イチョウがあります。
通称「首かけイチョウ」。
雄雄しい立派なイチョウです。
こんな奇妙な名前がついたのは、
先日紹介した彩の国ふれあいの森の土地提供者であって、
日比谷公園の生みの親でもある、
この本多静六博士が関わっているようです。
明治三十二年(1899)のことです。
道路拡張計画により、日比谷見附(現在の日比谷交差点近く)にある
推定樹齢300年の大きなイチョウが伐採されることになりました。
これを知って驚いた本多静六博士は、
東京市に強く進言し日比谷公園内への移植を提言しました。
当時の技術ではこの大イチョウを移植するのは、
絶対に不可能であるという意見が多かった中で、
「自分の首をかけてでも。」と移植を実行し、
無事成功させました。
植物は自分の意思を示すことも移動することも出来ませんが、
樹木によっては何百年、何千年という命をつなげたものもあります。
我々人間はせいぜい頑張ったってどうにかやっと百年弱。
どうやったって、そんな先輩方に太刀打ちできるもんじゃありません。
そんな我々の大先輩であり、
我々が死んだあとも生き続けるであろう存在を、
その時代の人間の勝手な都合で殺すなんて、
とんでねぇ話っすよねぇ。
静六さん!!。
あなたのおかげで、江戸時代前からこの地に住む、
大先輩に今でもいつでも会うことができるんです。
ありがとう本多さん。