- 作者: 鯨統一郎
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 新書
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待ちに待った鯨統一郎さんの、
書き下ろしの新作が出ました。
いろは歌に暗号(かくしごと)―まんだら探偵空海 (ノン・ノベル)
に続く、陰陽師の六郎太と白拍子の静が、
歴史の推理をして大活躍するシリーズです。
毎回毎回、大胆な歴史解釈や、とんでもない仮説を立てて、
読者をびっくりさせてくれる鯨さんなんですけど、
今回もまた凄いです。
本来であればネタバレになるんで書けませんが、
この作家の作品は、結果が分かっていてもまったく影響しません。
この本の場合は、もうタイトルでも分かっちゃうんですが、
なんと、
「親鸞は実在しなかった。」
「浄土真宗は蓮如が創った。」
なんです。
もちろん、法然の門徒に、
「親鸞」という名の僧はいたのであろうとはしますが、
その功績や伝説はすべて蓮如が作り上げたものなのでは。だって!!。
「元亨釈書」にも「法然上人行状絵図」にも「浄土法門源流章」にも、
親鸞の名前がまったく見えないばかりか、
当時の貴族の日記にも、まったく親鸞の名はありません。
奥さんの恵信尼の文も「男勝り」なんで蓮如作なのでは。だって。
いやー。ほんと毎回いろいろよく考えますねぇ・・・。鯨さん。
これだけ書いてしまいましたが、
この小説はまた別の意味で楽しめますから、
ぜひどうぞ。