「手紙 (文春文庫)」


手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)




ベストセラーに大変素直になった私。
こうなったら勢いです。
東野圭吾さんも行ってみましょう。



強盗殺人犯の弟が、
服役中の兄から手紙に左右されながら、
社会的な差別を受け苦しむという内容の本です。



今まで、被害者の家族の視点で進むものはあっても、
加害者の家族というものはほとんどなかったように思います。
・・・新鮮です。



封建時代は犯罪者の一族郎党が、
連座して罪を受けるというのは当然のことでした。
でも、この本読んで気付いたんですけど、
現代でも肉親が重大な犯罪を犯せば、
生命こそ奪われることはないにしても、
様々な差別を受けることになるし、
あたりまえな社会的な地位までも剥奪されてしまうんですねぇ。



印象的な言葉。
主人公の勤める会社の社長がこう言います。

差別はね、当然なんだよ。
犯罪者やそれに近い人間を排除するというのは、
しごくまっとうな行為なんだ。


我々は君のことを差別しなけゃならないんだ。
自分が罪を犯せば家族も苦しめることになる・・・。
すべての犯罪者にそう思い知らせるためにもね。


以前にも一度書きましたけど、
「殺人がなぜいけないのか。」という問う若者が増えたと聞きます。
分からないバカ学生にも、
それを説明できない先生にも、
これ是非読んでもらってほしいなぁ。




殺人はけして償えないんです。
被害者から許される言葉をもらえないんですから。



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