西國三十三所順打ち巡礼記

旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】

「手紙 (文春文庫)」


手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)




ベストセラーに大変素直になった私。
こうなったら勢いです。
東野圭吾さんも行ってみましょう。



強盗殺人犯の弟が、
服役中の兄から手紙に左右されながら、
社会的な差別を受け苦しむという内容の本です。



今まで、被害者の家族の視点で進むものはあっても、
加害者の家族というものはほとんどなかったように思います。
・・・新鮮です。



封建時代は犯罪者の一族郎党が、
連座して罪を受けるというのは当然のことでした。
でも、この本読んで気付いたんですけど、
現代でも肉親が重大な犯罪を犯せば、
生命こそ奪われることはないにしても、
様々な差別を受けることになるし、
あたりまえな社会的な地位までも剥奪されてしまうんですねぇ。



印象的な言葉。
主人公の勤める会社の社長がこう言います。

差別はね、当然なんだよ。
犯罪者やそれに近い人間を排除するというのは、
しごくまっとうな行為なんだ。


我々は君のことを差別しなけゃならないんだ。
自分が罪を犯せば家族も苦しめることになる・・・。
すべての犯罪者にそう思い知らせるためにもね。


以前にも一度書きましたけど、
「殺人がなぜいけないのか。」という問う若者が増えたと聞きます。
分からないバカ学生にも、
それを説明できない先生にも、
これ是非読んでもらってほしいなぁ。




殺人はけして償えないんです。
被害者から許される言葉をもらえないんですから。



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