突然ですがジョン万次郎こと、
幕臣・中浜万次郎。
彼、どんな人だったと思いますか。
居酒屋じゃないですよ。
ほとんどの人が知ってる名前だと思いますけど、
せいぜいその知識は、
「土佐の漁師の子供が漂流して、
アメリカの捕鯨船にに助けられて、
アメリカに渡り
英語を覚えて帰国し、
ちょうど幕末という時期が良く、
運良くその語学力をかわれて通訳として幕臣になった。」
ってなところでしょう。
私も学校の歴史で教わったのはそんなとこ。
- 作者: 井伏鱒二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1986/09/29
- メディア: 文庫
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彼の努力を知り驚きましたが、
まだまだ、この本の内容だけでは、
「この人は運のいい人」という感想が拭えませんでした。
でもこれを期に、第一回ジョン万次郎マイブームを向かえ、
様々な資料を読み漁ってみると、
これ、けっして運の良さから得た地位ではないんですよ。
彼はそもそも天才であったのかもしれませんが、
彼の才能を開かせたのは、
寝る間を惜しんだ絶え間ない努力そのものだったんです。
帰国後の幕末、
彼は咸臨丸では通弁(通訳)主務という役職でアメリカに凱旋します。
でも通訳としての活動よりも、
彼が日本に持ち込んだ功績は、
数学、測量、航海術、造船技術などは言うに及ばず、
十余年、アメリカ国民として生きた、
そのアメリカの知識そのものであったんだと思います。
それに彼はアメリカでも正式な一等航海士でした。
ともかく、実は私の好きな作家でありながら、
津本陽さんの描いたこちらのジョン万次郎の生涯。
実は最近初めてこの本読みました。
とっても詳しく、そして彼らしく、
ジョンの人生が描かれていると感心しました。
彼はアメリカでの成功を捨て、
せめて母に逢い、故郷の地を踏みたいと、
打ち首を覚悟して帰国したのですが、
時代は彼を必要とし江戸(東京)に縛り付けたのか、
彼の墓は東京の雑司が谷霊園にあります。