「椿と花水木 万次郎の生涯」(上・下)

ジョン万次郎の墓

椿と花水木―万次郎の生涯〈上〉 (新潮文庫) 椿と花水木―万次郎の生涯〈下〉 (新潮文庫)




突然ですがジョン万次郎こと、
幕臣中浜万次郎
彼、どんな人だったと思いますか。




居酒屋じゃないですよ。




ほとんどの人が知ってる名前だと思いますけど、
せいぜいその知識は、
「土佐の漁師の子供が漂流して、
アメリカの捕鯨船にに助けられて、
アメリカに渡り
英語を覚えて帰国し、
ちょうど幕末という時期が良く、
運良くその語学力をかわれて通訳として幕臣になった。」
ってなところでしょう。
私も学校の歴史で教わったのはそんなとこ。

さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記 (新潮文庫)

さざなみ軍記・ジョン万次郎漂流記 (新潮文庫)

昔この本を読んで、
彼の努力を知り驚きましたが、
まだまだ、この本の内容だけでは、
「この人は運のいい人」という感想が拭えませんでした。
でもこれを期に、第一回ジョン万次郎マイブームを向かえ、
様々な資料を読み漁ってみると、
これ、けっして運の良さから得た地位ではないんですよ。
彼はそもそも天才であったのかもしれませんが、
彼の才能を開かせたのは、
寝る間を惜しんだ絶え間ない努力そのものだったんです。
帰国後の幕末、
彼は咸臨丸では通弁(通訳)主務という役職でアメリカに凱旋します。
でも通訳としての活動よりも、
彼が日本に持ち込んだ功績は、
数学、測量、航海術、造船技術などは言うに及ばず、
十余年、アメリカ国民として生きた、
そのアメリカの知識そのものであったんだと思います。
それに彼はアメリカでも正式な一等航海士でした。




ともかく、実は私の好きな作家でありながら、
津本陽さんの描いたこちらのジョン万次郎の生涯。
実は最近初めてこの本読みました。
とっても詳しく、そして彼らしく、
ジョンの人生が描かれていると感心しました。




彼はアメリカでの成功を捨て、
せめて母に逢い、故郷の地を踏みたいと、
打ち首を覚悟して帰国したのですが、
時代は彼を必要とし江戸(東京)に縛り付けたのか、
彼の墓は東京の雑司が谷霊園にあります。




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