「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」(1)


七人の役小角〔小学館文庫〕
先日同じ夢枕獏さんが編集した、
「七人の役小角」を紹介した際、
ちょこっと、この本について載せました。




→ 【本・雑誌】「七人の役小角」




いろいろと雑誌を変えながら、
十五年も連載の続いた作品ですから、
私も何度か部分的に読んだことがありました。
最近ついに完結し、今年全四巻で、
ノベルズ版として刊行されたようです。
文庫しか買わないと誓った私としては、
ノベルズ版はラインすれすれの境界線なのですが、
面白そうなので、思い切って買ってみました。




いやいや、こりゃ面白いやぁ。
最高〜♪。
止まらなくて、一巻を一日足らずで読んでしまい、
早速二巻を買ってきました。



さて、これ、
史実の空海の唐での活躍を背骨にしながらも、
若き空海の超人的なパワーで、
様々な妖物を退散してゆくストーリー。
同じ作者ですから、
まるで「陰陽師」の、
安倍清明に対する源博雅と同じように、
橘逸勢(←おっ、一発変換。)が、
読者に代わる傍観者であり質問役となり進行します。




超能力者である空海が、
超人でありながらも、
酒や、女や、策略やと、
なんだか人間臭い部分も多くて、
冗談の通じないような人からすれば、
「ふざけるなっ。」という意見もあると思います。




でも私は問題はそんなことではないと思います。




密教・・・、つまり、
真言マントラや、護摩・加持祈祷が、
妖物を倒したり、魔物を退散させたり、
まるで魔法使いのヒーローような、
スーパーパワーとして描くことは、
まだ物を知らない若者達が、
この小説を読むことで、
またオウム真理教のようなニセモノ宗教を、
いとも、たやすく信じてしまうような、
手助けの一因になってしまうのではないか・・・。
と、いう懸念です。
(言葉を選んだら、分かり辛い文章になりましてすみません。)




とりあえず、まだ一巻を読み終えたばかりなので、
この話はまた後日・・・。




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