うろうろ本屋、古本屋を徘徊しても、
いろんな書評を読んでみても、
今、読みたい本がなかったので、
吉川英治「宮本武蔵」を、
約十年振りに読み直してみました。
この本の宮本武蔵は、
吉川英治氏により脚色されたものですが、
あまりに昭和初期の大衆に与えた影響力が強いので、
すっかり史実のようになってしまった、
様々なエピソードに彩られています。
この本を初めて読んだのは十代の頃で、
最後に読んだのも二十代の終わり頃だったので、
その頃には気付かなかった、
「武蔵」の若い青臭さが印象に残りました。
それから、その間に今読んでいる、
「バガボンド」にも影響されてしまい、
登場人物の顔がすっかり、
「井上雄彦」ワールドになってしまいます・・・。
(佐々木小次郎だけはまったく違うキャラなので大丈夫です。)
しかし、まあ、何度読んでも、
驚くのはやはり吉川英治氏の表現力です。
昭和初期のこの作品が、
今もこんなに面白いのは、
吉川英治氏の筆の魔術といったところでしょうか。
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