さて世の中、みなさんお休みの方の多い中、
私はカレンダーの通りの出勤です。
- 作者: 岡田秀文
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/03
- メディア: 文庫
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大坂夏の陣、大坂城落城とともに、
自刃を遂げたとされる豊臣秀頼。
昭和五十五年(1980)になってようやく、
大坂城三ノ丸跡地から、
秀頼とみられる遺骨が発掘されるまでは、
自刃を見た者もなく、
死体も発見されなかったことから、
多くの生存説が生まれました。
大坂城落城直後に流行ったという童歌には・・・、
花のようなる秀頼様を、
鬼のようなる真田が連れて、
退きも退いたよ鹿児島へ
・・・と、あるように、
九州・薩摩生存説が諸説あり、
童歌の通り、鹿児島県には、
秀頼の墓と伝わる五輪塔が今もあるのだとか。
そんな生存説を素材にして創作されたこの小説。
最近では、ジャンルに関わらず、
様々な本を読んでいる私ですが、
時代小説や歴史小説には、
相変わらず変な「こだわり」があります。
歴史考証がちょっとおかしいと、
すっかり読む気が失せてしまうのです。
しかし、この小説は面白かった。
歴史上の実在の人物が多々登場し、
現在残る歴史とは違う「動き」をするのですが、
なんだか、「ありえた」ように感じさせる物語の進行。
そして結末の爽やかさ。
う〜ん。
堂々の本格ミステリーに仕上がっています。