「房総の仏像・仏画〜千葉県の指定文化財展〜」千葉県立中央博物館・千葉県立青葉の森公園・その二

平成20年9月20日(土)〜10月19日(日)
260-8682 千葉市中央区青葉町955-2
千葉県立中央博物館公式サイト http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/ 
青葉の森公園公式サイト http://www.cue-net.or.jp/kouen/aoba/




→ 千葉県立中央博物館 その一




さて、三連休二日目の今日は、
かみさん、家の掃除やら、カットに出掛けたいそうで、
出来れば私と子供、野郎供三人は朝から晩まで、
どこかに出かけちゃくれないか!?という願い。
そんな願いをちょいと聞きいれてあげましょか。




房総の仏像・仏画 チラシ表房総の仏像・仏画 チラシ裏




千葉県広報の催し物案内や、
昨日、千葉県立現代産業科学館で見かけたチラシにあった、
千葉県立中央博物館で行われている、
こちらの「房総の仏像・仏画〜千葉県の指定文化財展〜」に、
絶対にとも行きたいっす。行こう、行こう。



最近子供達は、私のこういう希望に、
かなり理解が深くなり、
まず反対されることはありません。




朝一番で行って見ました。
やはりこちらも、昨日は無料だったようです。
9月27日(土)であれば、
立正大学名誉教授、中尾堯先生の、
「房総の日蓮〜その文化遺産をめぐって〜」という題の、
講演会を聴くことが出来たそうです。
聴きたかったなぁ。それ。
日蓮苦手で、アンチ巨人の私ですが、
千葉県出身の三大スターといえば、
日蓮伊能忠敬長島茂雄ですもんねぇ。(笑)




千葉県立中央博物館 房総の仏像・仏画展会場



→ http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/exhibitions/special_ex/2008butuzobutuga/butuzoten080903.htm
→ http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/exhibitions/special_ex/2008butuzobutuga/siryosyoukai080909.htm



特別展会場内は写真撮影が禁止なので、
詳しくは、上記の公式サイトリンクをご覧下さい。




今回の展示資料一覧。



国指定重要文化財
・銅造不動明王立像(印西市結縁寺、展示は9月30日から)
・鋳銅唐草文釣燈籠(長南町笠森寺)
県指定有形文化財
・木造如来形坐像(館山市千祥寺)
・木造釈迦如来・木造多宝如来坐像(市川市 法華経寺

・木造薬師如来坐像いすみ市長福寺)
・木造薬師如来坐像木更津市長楽寺)
・木造阿弥陀如来坐像(いすみ市法華寺
・銅造阿弥陀如来立像及び両脇侍立像(山武市真行寺区)
・銅造阿弥陀如来立像及び両脇侍立像(いすみ市行元寺)
・銅造阿弥陀如来立像(木更津市木野根沢区)
・木造阿弥陀如来坐像(野田市常敬寺)
・木造十一面観音立像(いすみ市清水寺
・銅造十一面観音立像(印西市三宝院)
・銅造准胝観音立像(長柄町力丸区)
・木造虚空蔵菩薩立像(君津市円盛院)
・木造地蔵菩薩立像(茂原市応徳寺・勝浦市東光寺旧蔵)
・木造僧形坐像(茂原市応徳寺・勝浦市東光寺旧蔵)
・紙本著色天神縁起絵巻(南房総市天神社)
・絹本著色愛染明王像(成田市大慈恩寺)
・絹本着色十六羅漢像のうち第十三〜十六尊者(成田市大慈恩寺)
大般若波羅蜜多経・経箱入(神崎町神宮寺)
・繍字法華経陀羅尼品(南房総市寶珠院)
・鋳銅孔雀文磬(長南町笠森寺)
・金銅孔雀文磬(木更津市長楽寺)
・鋳銅鰐口(長南町笠森寺)
・鬼舞面(成田市迎接寺)


かつて当事業所では、
都内の女子高の通学路で、
女子高生が集団で駅に向かう姿をみた馬油が、
同行していた、タヤパンに対し、
「タヤパン、ここは天国だねぇ〜。」と、
ため息交じりにつぶやいたという伝説があります。




私にはこの仏像達が、まさに、
「息子達よ、ここは天国だねぇ〜。」
・・・ホント最高です。



→ 銅造不動明王立像(印西市結縁寺)




さてもちろん、この重文の、印西・結縁寺の不動明王は、
憤怒の表情が凛々しくも、
典型的な幼児体形の愛くるしさを持った、
愛すべきお姿で、とっても興味深かったんですが、




→ 木造阿弥陀如来坐像(いすみ市法華寺)
→ 木造如来形坐像(館山市千祥寺)




館山・千祥寺の如来像や、
いすみ・法華寺阿弥陀如来
市川・法華経寺の釈迦・多宝両尊像や、
野田・常敬寺の阿弥陀如来が、
特に興味深かった。




館山の如来は、一木仏。
安房神社本地仏として制作されたとも想像され、
五智如来の一つ、宝生如来ではないかと推定し、
昭和六十二年(1987)に復元されたそうです。
ですから「木造如来"形"坐像」なのです。




いすみの法華寺阿弥陀如来は、
法華の寺の阿弥陀様というのも面白ければ、
なんと宝冠しています。
青銅の宝冠の下の頭部も如来の条件でもある、
パンチパーマ(螺髪)ではなく、
頭頂部で髪を束ねたかのような、
「髻」(もとどり)でした。
阿弥陀印じゃなければ、まるで菩薩ですよ。 




市川・法華経寺の釈迦・多宝二尊は、
印相も、衣もまったく同じで区別が付かない・・・。
普通、二尊を同時に並べて作る場合、
衣は、後輩の釈迦が、先輩の多宝に遠慮して、
多宝が通肩(両肩に衣)、釈迦が偏袒右肩(右肩のみ衣)であったり、
説法中の釈迦が、説法印で、
アシスト訪問の多宝が、定印であったりしますが、
こちらの二尊はまったく一緒・・・。
しかし、良く見ると多宝如来には、光背に、
私が多宝です的な「多宝塔マーク」がついています。




そして、一番興味深かったのは
野田・常敬寺の阿弥陀さま。
鎌倉後期の作風らしく、
きりりと男らしく凛々しいお顔は普通ですが、
なんと、印相が、手首をひねり、
胸の前で、手の甲を合わせています。
写真がないので、次男を使って再現します。





逆説法印を組む次男




・・・こんな感じ。
長年、仏像オタク、仏ヲタをやっておりますが、
この印相は初めて見たよ・・・。
これを「逆説法印」というそうで・・・。
まあ、しかし、これ後世の修復であるそうです。





ナウマンゾウの骨格標本複製 鯨の骨格標本



小さな特別展を終え、
平常展示に向かいます。
ナウマンゾウや、鯨の骨格標本




鹿の標本 アオサギ・ダイサギの標本




最近、どうも、
鹿やら鷺たちとご縁が深いようですね。




ミツバチの巣箱



「地学」「生物」「海洋」という「理科」ゾーンから、
「歴史」という「社会」ゾーンへと移動する中庭に、
ミツバチの巣箱が置かれていました。
蜜を採取するという目的もないようですから、
透明なアクリル板で内部が覗けるようになっています。



我等、好奇心の固まり三人組、
これにまたハマってしまった・・・。




花粉や蜜をせっせと運ぶ働きバチ。
たった数週間の命の彼女達。
巣箱の中には、すでに老いて小さくなり、
ヨボヨボとしているものもありますが、
彼女達の世界には、高齢者を守るなどいう、
公共福祉の心はまったく皆無です。
ここにいたいと嫌がる老女を抱え込み、巣箱の外に連行して、
箱の下にある死体が山となっている墓場へと導くのです。
干乾びた死体の隙間を徘徊する死が間近な老いた働きバチ。




しかしなんてドラスティックな世界なのだろう・・・。




松戸・萬満寺の金剛力士の複製 銚子・常灯寺の薬師如来の模造



その一でも書きましたが、
私はここの「歴史部門」、
複製ばかりなので、
あまり評価していません。
しかし、松戸の萬満寺の金剛力士や、
銚子の常灯寺の薬師如来は、
複製とはいえ、なかなか完成度は高いです。




人体骨格模型と握手する次男



ミュージアムショップを経て、
学習体験室には、
自由に触っていい、
生物の剥製や標本が並びます。
これはいい企画だな。
やはり人間の感覚には、
もちろん視覚も大事だけど、
触覚も大きな意味を占めています。




生態園でキノコと遊ぶ





さて、野外の博物館、「生態園へ」。
森林を巡り、植物やキノコと戯れます。
残念ながら今日は、
狸ともイタチとも出会えませんでした。




野鳥観察舎 野鳥観察舎から舟田池を望む



生態園の奥、舟田池の畔に建つ、
「野鳥観察舎」。
望遠鏡が常備されていて、
学芸員さんの解説を常に聴くことが出来ます。、





コサギ
カワセミ カワセミ




写真は上がコサギ
下が森の宝石・カワセミの二枚ですが、
たった一時間の間に、
コサギカワセミの他、
ダイサギオナガハクセキレイ
カイツムリ、カルガモコガモ等と、
観察することが出来ました。




バード・ウォッチングって楽しいね。
趣味にしようかな。




青葉の森公園 西洋庭園の噴水 青葉の森公園 わんぱく広場




西洋庭園の噴水を眺め、
わんぱく広場の木製遊具で遊び、
芝生広場でキャッチボールをしていたら、
日が傾いてまいりました。




さぁ、もう帰ろうよ。
息子達はまだ遊び足りない様子です。




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