西國三十三所順打ち巡礼記

旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】

映画「禅 ZEN」

禅 ZEN

公式サイト http://www.zen.sh/




気になっていたこちらの映画を観に行きました。
最寄のシネプレックス幕張では、
ほとんどちょうど同じ時間に他のスクリーンで、
20世紀少年 第2章 最後の希望」もやっているので、
長男・次男を誘ったら、
「第1章」を一緒に観に行った友達も誘うことになり、
劇場への往復は法定定員ギリギリ一杯の、
さながらスクールバスの様相です。
いや、こんなスクールバスはありません。
当番制で警察署に送迎している、
道教室の行き帰りにうちのカーステで覚えたのか、
なせが全員クロマニヨンズの大合唱。
「♪黄色い羽の むしむし仲間、
集まれみんな むしむし軍団。」

・・・って、いったいこいつらなにもん?。orz




さて本題、映画「禅 ZEN」です。
これは日本曹洞宗の開祖である、
道元さんの一代記です。




事前にメグテキさんから戴いた情報によれば、
内田有紀さんのかなり「艶」のあるシーンがあり、
お子様連れには向かないそうで・・・。(汗)
なんてったって監督の高橋伴明さんのデビュー作は、
『婦女暴行脱走犯』っていうピンク映画。
子供達はお隣のスクリーンで、
お「ともだち」と遊んでいるので、
父ちゃん一人安心して悶々となれます。(汗)




さて冒頭には、道元さん8歳時の母との別れ。
病床で、この世こそが浄土であると、
息子に説く、藤原基房の娘「伊子」は、
監督の奥様、高橋惠子さん。
失礼ながら54歳では、まるでお祖母ちゃん。
なぜか不動明王真言に送られて荼毘にふされます。




さて貞応二年(1223)に入宋した道元
当然この映画の舞台も中国ロケが中心となります。
権力者に保身の為に近づく高僧や、
阿育王山の老典座は、
なぜか日本の俳優を起用。
この人たちの中国語は、
ネイティブが聞けばどうなんだろう。
さすがに師である天童如浄さんは、
鄭天庸さんという中国人の俳優でした。




さて主役の道元役、中村勘太郎さんは、
父親そっくりの歌舞伎役者特有の演技方法が、
ぷんぷんとしているものの、
本物のあの肖像画にある、
理屈っぽさそうで偏屈そうな感じの全くない、
なかなか爽やかな道元さんを熱演。
ただちょっとフケ役にはまだ若すぎた。
メイクで顔に皺は作れても、
禅定印のあのつやつやの手は、
梨園のおぼっちゃまのものです。




蛇に咬まれた若い僧の足を、
無心でしゃぶりつくように毒を吸う内田有紀さん。
なるほど、メグテキさん、これですね。(笑)




空海 [VHS]

空海 [VHS]

映画「空海」 → 上巻下巻




なんだかんだといっても、
結局、留学から入滅までを辿るこの展開は、
この映画「空海」とそっくりな演出になっていました。
大悟を得てピンクの蓮に乗って宇宙に飛んでいってしまうのは、
やはりとっても円谷プロチックで笑ってしまいました。




映像の美しさにこだわったのか、
字幕は、入宋と帰朝、入滅の「西暦」だけでしたが、
出来れば、道元さんの説法等のシーンには、
漢字で字幕をいれて欲しかったなぁ〜。
正法眼蔵」や「永平広録」に、
まったく触れていない方々には、
漢字がないと、まるでイメージが湧かないことでしょう。




しかしここまで書いておいて、
今更なんですが、
全体的にはとてもよく出来ていて、
なかなかお勧め出来る映画でした。




いや、ホントですって。




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