「永久平和を願って」の碑

170-0013 豊島区東池袋3-1 東池袋中央公園




→ 小説「プリズンの満月」




東池袋の休眠顧客を訪問。
「プリズンの満月」を読んだ後にここで約束した、
東池袋中央公園を訪れてみました。




サンシャイン60




その際にも書きましたが、
ここサンシャイン60には、
以前おりました事業所の出張所がありました。
当時は毎日のように通っていたこのビルに、
何年振りかに来て見ると、
今ではテナントがガラガラで、
虫食い状態・・・。
なんとも寂しくなってしまいました。




東池袋中央公園




さてこの「巣鴨プリズン」の跡地、
サンシャインシティの最北の一角は、
豊島区立の東池袋中央公園として整備されています。




碑のある片隅




さらにその公園の最北の一角に、
この碑がひっそりと存在しています。




碑(表)





大きな自然石に、
表にはただ小さな字で、

永久平和を
     願って


と、刻まれています。
お線香を供える石台や、
仏花があげられていますが、
おそらく後に有志が備えたもので、
この碑の施主がしたものではないでしょう。




碑(裏)




表面の小さな碑の題と同様、
裏面にもこんな短い碑文があります。


第二次世界大戦後、
東京市谷において極東
軍事裁判が課し
た刑および他の連合国戦
争犯罪法廷が課した一
部の刑が、この地で執
行された。
戦争による悲劇を再
びくりかえさないため、
この地を前述の遺跡と
し、この碑を建立する。



    昭和五十五年六月


要するにこの碑は、
サンシャインシティが出来たと同時に、
建立されたものであり、
見ての通り通常必ず碑文にある施主の名がありません。




この碑文の"この地"とは、
巣鴨プリズン全体を指すのではなく、
その最北のもっとピンポイントな地点を指します。
そして"一部の刑"とは処刑そのものです。
一部のサイトで"一部"を"一連"と誤り、
それをコピペしたとおもわれるブログも数多くありますが、
"一部"と"一連"では、
かなり伝えるべき内容が異なってしまいます。




「プリズンの満月」より巣鴨プリズン見取図
(新潮社文庫「プリズンの満月」吉村昭著〜巣鴨プリズン見取図〜)




そうです。"一部"としているのは、
"この地"には巣鴨プリズンの「刑場」そのものがあったのです。
戦犯とされ処刑された人々を神格化させていると思われぬようか、
主語のない碑の名前と、こんな回りくどい碑文。




とくかく彼らの犠牲の上に、
のうのうと平和な戦後を生きる私としては、
彼らに対し、ただただ感謝し合掌致します。




碑の裏の植え込み




正確には、絞首台は、
碑の裏のこの植え込みの辺りにあったそうです。




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