283-0114 千葉県山武郡九十九里町真亀 サンライズ九十九里隣
車は一路、東金九十九里道路を南下し、
九十九里町を目指します。
人気のある国民宿舎、サンライズ九十九里の隣、
真亀海岸の砂浜のすぐ近くに、ひっそりと智恵子抄詩碑があります。
「智恵子抄」、高村光太郎と智恵子の話は有名なので、
他にお任せすることに致しますが、
ここではこの碑についてのみ書きます。
この碑は、地元の白涛俳句会や草野心平らにより
昭和三十六年(1961)に建てられたそうです。
私が熱心に写真を撮っていると、
年配の奥様お二人が、
裏面碑文を読んでみてくれと頼まれました。
正直、時間がなくあまり協力出来ずにすみません。
罪滅ぼしにここに写しておきます。
千鳥と遊ぶ智恵子
人っ子ひとり居ない九十九里の砂浜の
砂にすわって智恵子は遊ぶ。
無数の友だちが智恵子の名をよぶ。
ちい、ちい、ちい、ちい、ちい――
砂に小さな趾あとをつけて
千鳥が智恵子に寄って来る。
口の中でいつでも何か言ってる智恵子が
両手をあげてよびかへす。
ちい、ちい、ちい――
両手の貝を千鳥がねだる。
智恵子はそれをぱらぱら投げる。
群れ立つ千鳥が智恵子をよぶ。
ちい、ちい、ちい、ちい、ちい――
人間商売さらりとやめて、
もう天然の向うへ行ってしまった智恵子の
うしろ姿がぽつんと見える。
二丁も離れた防風林の夕日の中で
松の花粉をあびながら私はいつまでも立ち盡す。
九十九里浜のどまん中、この真亀海岸は、
この日は千鳥の姿もなく、怒涛の大波が打ち寄せていました。
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