摩尼珠山 醫王院 松虫寺 〜松虫姫御廟〜

宗派 真言宗豊山派
本尊 七仏薬師瑠璃光如来(国指定重要文化財)
270-1602 印旛郡印旛村松虫7




緑のカーテン2009




先日の台風18号にそなえて、
下に降ろした我が家の「緑のカーテン2009」。
そのまま力尽きてこの通りボロ布のように成り果てました。
かみさんはこれを片付ける作業があるので、
どうやら私達男軍団が邪魔のようです。
久しぶりに男の子チーム三人で、
神社仏閣詣でにと旅立ちましょう。
今日の目的地は、印旛沼の畔、
ずっと気になっていた松虫寺さんです。



Nikon デジタルカメラ COOLPIX (クールピクス) S710 アーバンブラック COOLPIXS710B



しかしこの我がコンデジ愛機、
Nikon COOLPIX S710は、ちと体調を崩し入院中。
DoCoMo P905iのちゃっちぃ画像で失礼します。




地平線がみえるような千葉ニュータウンの突き当たり、
北総鉄道印旛日本医大駅」には、
「松虫姫駅」という副駅名があるそうです。
その名の通りこの駅の東の山間にこのお寺はあります。



松虫寺



里山の奥のひっそりとしたお寺という雰囲気。
なんだか私ウキウキとしてしまうシチュエーション。




松虫寺 仁王門
松虫寺 仁王阿形松虫寺 仁王吽形




想像通りの仁王門には、
これまた想像を裏切らない、
阿吽の仁王が鎮座しています。




松虫寺 お知らせ貼紙



なるほど平安後期製作のご本尊の「七仏薬師瑠璃光如来」は、
本来三十三年に一度のご開帳の秘仏なんですね。
申し込めば拝観出来るようですが、
こういうのってご縁が大事。
私は三年後の「平成廿四年」を待ちましょう。
千葉県立中央博物館でしたか、
その複製は観たことがあります。
中央に坐像一躯、左右に立像三躯ずつ並ぶ珍しい形式。
重文指定も、坐像と、六躯の立像は別々の指定でした。





松虫寺 本堂




この江戸時代の再建の本堂には、
現在はご本尊はいらっしゃりません。
どこだかよく分りませんが、
重文指定の保存の為に宝物殿にあるんだとか。





松虫寺 鐘楼



鐘楼には、本来鐘は時を知らせる為につくものなので、
信仰の為につくならば、そーっとどうぞ。との意の注意書き。
いやいやその加減が分らないよ。(笑)



六所神社 鳥居六所神社



本堂右手には、この六所神社です。
この辺りのお寺は必ず神社を併設しています。
これはおそらく本来この近隣にあった六社を合祀したものでしょう。



松虫姫神社



逆に本堂左手には、この松虫姫神社です。
ご祭神はもちろん聖武天皇の第三皇女、不破内親王こと松虫姫。




この松虫姫の伝説を簡単に書き綴りましょう。



奈良時代聖武天皇の皇女、美しい松虫姫(不破内親王)は、
当時不治の病であった癩病(ハンセン病)にかかります。
帝や后もあらゆる治療に手を尽くすものの病は重くなるばかり。
しかしある夜、夢のお告げに坂東の下総国にあるという、
薬師如来が現れて「是非こっちにつれて来い。」とのこと。
帝は藁にもすがる思いで、
当時、未開の地であった坂東へと姫を下向させます。
皇女ですから、多数の従者を連れての下向ですが、
たちまちほとんどの者が逃げ、下総国府に着く頃には、
杉自という乳母と数人の従者のみだったそうです。
そしてここに庵を結び、日々平癒を祈りつつ、
村人と交流しながら、様々な文化を伝えました。
薬師如来の霊験はあらたかで姫の病気は奇跡的に全快。
姫は都へと帰京しますが、
年をとって乗用にたえられなくなった牛車の老牛と、
この地の村人たちへの恩に報いる為に、
乳母の杉自をこの地に残します。
老牛はこれに嘆き、自ら近くの池に身を投じ果てます。



聖武天皇は、この薬師仏に報いるため、
当時の一番の高僧、行基菩薩に命じて、
七仏薬師を刻して、この寺を建立しました。


松虫皇女之御廟 遠景松虫皇女之御廟 石柱




その後、松虫姫は死後遺言により分骨され、
この寺の境内に墳を建てます。
これが現在も「松虫姫御廟」として現存しています。





松虫皇女之御廟 近景




裏側には、宝亀二年(771)二月十二日と刻まれいます。
これはただの日本昔話ではありません。



松虫姫と牛のオブジェ 牛むぐり池




近くの松虫姫公園には、
こんな牛と姫の一体化したこのオブジェ。
そして牛が身を投じたという「牛むぐりの池」は、
調整池となって現存します。




「牛」となってはいるものの、
本当は松虫姫と恋に落ちた、
この地に元々住んでいた、
身分の低い男性だったのではないかと思います。



松虫姫は、病気平癒後、都に戻り、
異母兄弟と結婚しますが、
政権抗争に巻き込まれ、
再び辺境へと流されて亡くなります。
初恋の人の眠るこの地に遺骨の半分を納めたいという乙女心。




勝手な想像、姫、申し訳ございません。







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