→ 「ブレイブ・ストーリー」(上・中・下)
→ 「ぼんくら」(上・下)・「日暮らし」(上・中・下)
→ 「あかんべえ」(上・下)
→ 「模倣犯」(1〜5)
→ 「宮部みゆき」関連の記事
時代小説と現代小説ともに双方を、
魅力溢れる作品を書く作家は多くありません。
結局どちらかが、古臭くなったいたり、
斬新過ぎて時代考証がおかしかったりしています。
ただ、浅田次郎氏と宮部みゆき氏は、
どちらを書かせても、
まるで違う作家かと思うほど、
それぞれに別々の魅力が溢れています。
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/11/28
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 52回
- この商品を含むブログ (39件) を見る
- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/11/28
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 14回
- この商品を含むブログ (35件) を見る
宮部氏の文庫化最新作は、
帯に氏の「時代小説最高峰」と謳われています。
幕末、四国の架空の藩、丸海藩に、
流罪お預かりとなった幕府用人、加賀守。
この生ける悪霊とも噂される罪人が、
多くの穢れを引き込み、
様々な凶事が相次ぐなか、
江戸から流れ着いた、
阿呆の子"ほう"が巻き込まれてゆく物語。
読み始めてすぐに、
この原案が、讃岐・丸亀藩に永預になった、
鳥居甲斐守耀蔵であることには気付きました。
しかし、この小説は深かった。
血肉を争う権力闘争と、とかげの尻尾きり。
古来日本の神仏の発生のメカニズム、
多くの差別の元となった"穢れ"と流行する病。
そして群集心理とデマについてまで考えさせられる作品でした。
ただ、最後は感涙にむせぶ、爽やかなラストは流石です。
← 二つのブログランキングに参加しております。
← よろしかったら応援クリックをお願い致します。