佐倉順天堂記念館 〜佐藤泰然像〜

開館時間 午前9時〜午後5時(入館は午後4時30分まで)
休 館 日 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月28日〜1月4日)
入 館 料 大人100円(70円)、児童・学生50円(30円)
三館共通入館券 一般520円(360円)、学生260円(180円)
*(  )内は20人以上の団体料金
土曜日に限り、小中学生は無料

285-8501 佐倉市本町81
公式サイト http://www.city.sakura.lg.jp/bunka/jyuntendo/index.htm 





さて、GW連休の四日目の今日、
私はやっぱり歴史探訪がやりたくて仕方がない。
かみさんは、早々も"一抜けたぁー!!"宣言ですが、
息子達は着いて来てくれるようです。
長男もかみさんがいなければ素直なもの。
さてさて、それでは神社仏閣ではありませんが、
五年以上前のこと、ブログ開始前に伺って、
とっても楽しかった、あのコースに行ってみましょうか。





→ 2008年6月30日 佐倉歴史散歩
  → らーめん松信
  → 千葉山 深廣院 海隣寺 〜千葉氏歴代当主供養塔〜
  → 安城山 不矜院 甚大寺 〜堀田正俊・正睦・正倫墓〜
  → 正覺山 慧光院 宗圓寺 〜佐藤泰然・舜海(尚中)墓〜
  → 佐倉 麻賀多神社

→ 国立歴史民俗博物館





この通り、私の大好きな、歴史のある城下町"佐倉"です。
その佐倉市教育委員会文化課が運営(?)する、
武家屋敷(旧河原家住宅・旧但馬家住宅・旧武居家住宅)
旧堀田邸(さくら庭園)
佐倉順天堂記念館
・・・に、行ってみましょー。
さすがに長男もほとんど覚えていないそうです。






佐倉順天堂記念館 冠木門  佐倉順天堂記念館 玄関
佐倉順天堂の古写真  佐倉順天堂職員の古写真





まず朝一に伺ったのは、
前回の記憶で一番駐車場の小さかった、
佐倉順天堂記念館。
以前ここを訪れた理由は、
胡蝶の夢(一) (新潮文庫) 胡蝶の夢(二) (新潮文庫) 胡蝶の夢(三) (新潮文庫) 胡蝶の夢(四) (新潮文庫)
この司馬遼太郎の「胡蝶の夢」を読んだから・・・。
また今の我が家はこれを起源とする、
現・順天堂大学のキャンパス跡の一部にあり、
他とは少し違う思い入れもあります。






「西の長崎、東の佐倉」と・・・、
関東における日本西洋医学の礎ともいえる、
この佐倉順天堂。"順天"とは「天道に従う」という意。
この古写真をみて分かる通り、
安政五年(1858)に、佐藤泰然が、
蘭医塾兼外科診療所として建てられた建物が、
そのまま、まだ多く現存しています。




和室の展示ケース  洋室の展示ケース




それだけでも凄いことなのに、
その建物に、多くの所縁の品々が展示され、
なおかつ、フラッシュなしであれば、
写真撮影OKという太っ腹。
なんと凄いスポットなんでしょうか。




教材の人骨




通常であれば、絶対に撮影不可になるであろう、
当時の塾生達が蘭医学を学ぶにあたって、
実物の教材にした大腿骨や背骨の人骨が陳列されています。
これは腑分(解剖)された、罪人の骨だろうか・・・。
それとも先輩塾生の後輩塾生への為の献体か・・・。



松本良順 書 「蘭飛馨」  松本良順 書 「存心済物」
松本良順 自作の木製肖像  松本良順 自作の硯




先ほど書いた通り、元々私の好奇心は、
司馬遼太郎による「胡蝶の夢」の、
佐藤泰然や松本良順に対するものでありましたが、
新選組と深く交流のあった、
佐藤泰然の実子、松本良順は本当に器用な人で
この通り書も美しく、自作の木製肖像も硯も"玄人はだし"。
でも晩年の"松本順"の署で書している「蘭飛馨」の、
自慢するような"従四位"は意外だなぁ。





大工道具のような手術道具




これは複製ではありますが、
この大工道具のような手術道具。
泰然は当時まだ危険度が高かった麻酔を嫌ったそうですから、
この建物は、多くの患者の痛みの絶叫を聞いてきたことでしょう。
次男「お父さん、このコテのようなものは何?。」
私「そりゃ、多分、焼いて血管に当てて、止血したんじゃないのかな。」

他の中年夫婦の見学者が顔をしかめて、私達を見ています。




治療定(治療代金一覧)  痔瘻(一刀ニテ開截スルモノ) 凡 金百疋





さて、庭を望む和室の欄間に、
当時の治療代金を定めた「治療定」が復元されています。
なんと、これによると、
痔瘻(一刀ニテ開截スルモノ) 凡 金百疋
・・・と、当時「完治手術」は存在しないので、
これはつまり現代でいう、私が何度も受けた、
肛門周囲膿瘍の切開に他なりません。







新・恥ずかしくない病気!! 通院・完治編 その → 十一〜完結〜          
新・恥ずかしくない病気!! 自宅療養編 その →         
続・恥ずかしい病気!? 入院手術編 その → 
恥ずかしい病気!? その → 十一十二十三番外 十四十五十六十七十八十九二十二十一








この「定」当時、安政元年(1854)。
金一両=金四百疋・・・、う〜ん。
この金一両がまったくの"くせもの"で、
米と蕎麦では価値が変わってしまいますが、
ここの展示の横に貼ってあった、
米で換算する表によれば、
米一石=金2.06両で、
米10kgを3,760円で計算するとすれば、
んん・・・、金百疋は6800円?。
えーっ・・・・・・、
現代の私の「処置代」も確か約7,000円でしたっけ・・・。
私の処置代は「健康保険」の負担があるので、
今の医者は23000円もらっている訳で、
この順天堂がけして高くなかったということが分かりました。
んんんん・・・。
上の米の換算表だけでは納得出来ません。
何かの賃金で計算してみますか・・・。
明治の初めに定められた、
お相撲さんの「十両」という制度。
これは一年の年収です。
現在の十両の月収は103万6000円。
×12ヶ月+賞与2か月分=年収1450万円。
つまり一両=約145万。
と・・・すると、
あれれ、手術台は36万2千5百円になってしまった・・・。
賞与を抜いても31万8百円。
30万か。健康保険の本人負担では、
9万か。完治手術とほぼ同額だ・・・。
(酔っ払って書いています。計算間違いだったらご指摘下さい。)





佐倉順天堂記念館の庭




当時にはなかったはずの"芝生"のある、
佐倉順天堂記念館の庭です。




佐藤泰然像と佐倉順天堂の偉人たちのレリーフ  佐藤泰然像





もちろんこの佐藤泰然の銅像のバックに、
この佐倉順天堂で活躍した、
養子・佐藤舜海・恒二や、
実子・林董、松本良順、
そして尚中の養子、佐藤進や、
娘・志津等の偉人たちのレリーフが、
この芝生の庭に並んでいました。




佐倉順天堂記念館の庭の牡丹





牡丹が美しく咲いています。
なんともこの佐倉順天堂によく似合います。




今も続く佐倉順天堂病院と佐藤家





この記念館の右隣、
今も表札"佐藤"氏の経営する、
"佐倉順天堂病院"が現存するのは、
驚くべきことでもあります。




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