映画「桜田門外ノ変」

映画「桜田門外ノ変」

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今日もまた早朝から携帯がブルブルと鳴りました。
先々週の土曜、先週の土曜、そして今日の日曜と、
・・・なんと三週連続です。
今度こそは大きなアクシデントか大変なクレームかと、
深呼吸をしてから恐る恐る電話に出てみれば、
神田分園の心配性の実働部隊員より、
こちらには非のない、
ちょっとした行き違いの報告でした。
なんとも気の休まらない商売です・・・。
さてさて気を取り直してせっかくの日曜日を楽しもう。
今日は久しぶりに一人で映画鑑賞でもしましょうか。




映画「桜田門外ノ変」




桜田門外ノ変(上) (新潮文庫) 桜田門外ノ変(下) (新潮文庫) 




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吉村昭氏は大好きな歴史小説家の一人ですし、
この「桜田門外ノ変」はその中でも大好きな作品の一つです。
この夏、坂東霊場巡礼中に茨城の各所(1,2)を訪れると、
この「桜田門外ノ変」映画化のポスターと、
そのロケ地やゆかりの地である案内がそこかしこ。
その頃から必ず劇場に観に行こうと思っておりました。
はたして、あの「事件当日、雪は何時にやんだのか。」にまで、
徹底的に史実にこだわった吉村昭氏の世界観が、
忠実に映像化されているだろうか。
いつものシネプレックス幕張に行って来ました。








最近観た邦画では珍しく客入りがなかなか良いです。
大半は中高年のご夫婦が多数です。
若い女性は、大沢たかおさんのファンでしょう。
映画自体は佐藤純彌さんの監督らしく、
古式ゆかしい重鎮な出来栄え。
これはこの原作の作風に合っているかもしれない。
脚本も原作小説と同様に、
暗殺現場の総指揮官であった関鉄之助の視点で描かれます。
吉村昭氏が、関鉄之助を主人公に選んだのは、
その日記が多く現存しており、また事件の後に、
二年余、生き延びたその逃亡劇を描きたかったからだそうです。
吉村昭氏は江戸幕府崩壊と大東亜戦争敗戦の類似点と、
この桜田門外の変を、その二・二六事件と比較する論述を残しています。



しかし、どうだろう。
この映画は確かに、関の視点で進行しますが。
関の他、後に桜田十八士とされる人々が、
多くを語りすぎる感があります。
これはちょっと吉村昭ワールドとは違うと思いました。




司馬遼太郎は、桜田門外の変に関しては長編がなく、
その短編や他の幕末作品において、

「暗殺という政治行為は、史上前進的な結局を生んだことは絶無といっていいが、
桜田門外の変だけは、歴史を躍進させた、という点で例外である。」

と、記しています。



司馬遼太郎吉村昭と同様に大好きな作家の一人です。
しかし私は20世紀の人間がまるで"高みの見物"で、
これを語るのはどうかと思いますし、
はたして「大化の改新」「元禄赤穂事件」といった、
一連の暗殺事件とどう区別するものかも疑問です。
しかしこの映画はどちらかというと、
そんな司馬遼太郎の歴史主観に近いメッセージを発しています。




他にもちょっと疑問な点や、ツッコミ所はいつくか・・・。
それぞれ詳しい方がいたら教えて下さい。




1.確かに代表的な錦絵には、桜田門外のお濠側に屋台のような茶屋があるが、
はたして、そんな江戸城内間近にそんなものが存在しえただろうか。
2.御三家とはいえ、大老・老中との大名同士の合議での敬語・謙譲語はあれでよいのか。
3.農家の出身の関の妻役のハセキョーの立ち振る舞いが美しすぎるのではないか。(笑)
4.関逃走中に鳥取藩士との決闘などありえないのではないだろうか。
5.武士はけして走らなかったと聞くが、あの井伊家大名行列や、
関の他、水戸浪士達は、走りすぎではないだろうか。
6.江戸開城時に西郷隆盛が馬に乗っているのはおかしくないだろうか。
(すでにフィラリアで睾丸が肥大していて馬にのれなかったはず。)e.t.c...




すみません、
けしてケチをつけるつもりではないんですが、
なかなか良い出来栄えだったので、
ついつい突っ込んでしまいました。




全体的にはとてもお勧めできる映画です。
えっ!、今更遅いってか。(笑)



主人公の妻子役、ハセキョーこども店長の涙には、
なんだか身につまされて泣いてしまった・・・。(恥)




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