「のぼうの城」【上・下】 (小学館文庫)


本屋大賞でも話題になっていましたし、
水攻めが津波を想像させることで、
映画公開が延期されているとも知っていました。
しかし映画の脚本を自身が小説化したものと聞き、
今までなぜか手の出なかった作品でした。



のぼうの城 上 (小学館文庫)

のぼうの城 上 (小学館文庫)

のぼうの城 (下) (小学館文庫)

のぼうの城 (下) (小学館文庫)


かなり歴史ヲタな私の知識でも、
戦国期の武州忍城といえば、
石田光成が水攻めに失敗した城で、
城主は成田某といったところ・・・



しかしこの小説はその戦いの城代であった、
成田長親を"木偶の坊"「のぼう様」として、
実は稀代な英傑であった仮定として描いています。
実際、現在に残っている戦記は、
わずかにしかありませんが、
この作家はそれを実にうまく膨らまして、
なんとも胸のすくエンターテインメント作品に仕上げました。




武ある者が武なき者を足蹴にし、
才ある者が才なき者の鼻面をいいように引き回す。
これが人の世か。
ならばわしはいやじゃ。
わしだけはいやじゃ。


それが世の習いというなら、
このわしは許さん。


うん、元は脚本なだけに台詞がいい。
最近読んだ時代小説ではかなり上位に数えられる面白さ。
おススメです。







にほんブログ村 歴史ブログ 史跡・神社仏閣へ ← 二つのブログランキングに参加しております。
人気ブログランキングへ ← よろしかったら応援クリックをお願い致します。