車をパーキングに駐車して、
母と二人、仏壇に祀る御本尊を探して、
稲荷町、田原町の町を歩きました。
ちょっと歩き疲れて、
半年前に母が四十九日前に一人で、
仏壇と位牌を購入した仏具屋に来てみると、
ショーウィンドウには独特のポーズをした、
あまりみたことないお姿の、
お不動様と目が合ってしまい釘付けです。
母も気に入ってしまったようで、
早速、実家の仏壇にお招きいたしました。
一般的な不動明王像といえば、
右手に降魔の三鈷剣を掲げ、
左手に羂索を持ち、
立像または、瑟瑟座の上に、
結跏趺坐のものが通常ですが、
こちらはなんと剣を下向きに地に差して、
羂索を粗岩(岩座)の上に置いて、
片足を踏み降ろした半跏坐で座ります。
仏具屋の店主によると作者は剣を地に差して、
すべての魔を封じる姿を表現しているそうですが、
私には、両手を剣の柄の上置くお姿は、
まるで衆生の身の上を案じ、
いかに救済すべきか考慮している、
如意輪観音や弥勒菩薩の、
思惟手(しゆいしゅ)に近く見えます。
後背の火炎と、お顔、お身体の絶妙なバランス。
それでいて不動尊の特徴である
ぷっくりとした幼児体型の可愛らしさも見事。
このお不動様はずっと売れることがなくて、
少し日焼けしてしまっていますが、
私がお迎えにくるのを、
待っていてくれたのかもしれない。
とてもよいご縁がありました。
仏具屋の店主さん、
私のあまりの仏ヲタぶりに呆れたのか、
なぜかこの黒檀の腕輪念珠を頂戴しました。