宗派 真言宗智山派
本尊 金剛界大日如来
386-1436 上田市前山300
公式サイト http://www.zensanji.info/
続いてお参りしたのも、
真言宗智山派の前山寺さん。
西南に弘法山という山があり、
その歴史は空海が訪れて、
独鈷を埋めて開創した、
正法寺に遡るそうですが、
おそらく慈覚大師円仁の伝承と、
正法寺を移転しここに前山寺を開山した、
讃岐の善通寺から来たという長秀上人のお話が、
後に弘法大師空海の伝説と混同したと思われます。
冠木門の前には門前の売店で飼われてる、
13匹の中の1匹という人懐っこい茶トラの猫。
参道には樹齢三百五十年、樹齢七百年という、
巨大なケヤキの古木が参拝者を圧倒します。
他にも桜や赤松の巨木があり、
季節の花々が美しいであろう境内。
石段の上に薬医門と名付けられた、
茅葺きの山門があり、
この中に「未完成の完成の塔」と呼ばれる、
国指定重文の三重塔が姿を現します。
間口十間、奥行八間の、
迫力のある萱葺の本堂。
本尊は金剛界大日如来。
宝篋印塔横の不動堂には、
当然ながら不動明王が祀られていました。
さてこちらの三重塔。
室町時代初期の建立とされ、
三間三重で高さは19.5m、
屋根は柿葺です。
この塔がなぜ「未完成の完成の塔」と言われているか。
二層・三層の柱に長押仕口がありながら、
長押も束もなく、窓も扉もなくて、
廻廊も勾欄もありません。
内部にも四天柱がないそうで、
安楽寺の八角堂とは正反対の、
和唐折衷の様式なんだそうです。