西國三十三所順打ち巡礼記

旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】

makoto-jin-rei版「桃太郎」その一

ここ数日なぜかワタシは、
桃太郎プチマイブーム。
いろいろな桃太郎を調べ読みましたが、
それぞれかなり異なります。
桃から生まれるという話の他にも、
桃を食べて若返った夫妻が、
交わって実子を生む話があったり、
自ら進んで鬼退治に行くのデフォルトですが、
お爺さんお婆さんや周囲に勧められて、
仕方なく腰を上げる話があったり、
一番ひどい話になると、
前半はほぼ「三年寝太郎」状態。。。
しかしほぼすべてに共通する設定で、
もっとも疑問に思ったのが、
そもそも山で柴刈、川で洗濯をするような、
山間に住む貧乏な老夫妻が、
赤子を日本一を自称する、
屈強な青年に育て上げ、
刀や具足一式を与えることが可能かという点。
またきび団子ごときにつられて、
命をかける家来の本当の目的とは?
そもそも鬼とは誰?
鬼から取り返した財宝ならば、
元の持主に返却しなくてよいのか?
と、いったところ。。。
自分なりに考えまして、
実はこうだった?!桃太郎を書いてみました。
ご笑覧いただければ幸いです。




【閲覧注意】
この先の内容には暴力的・グロテスクな表現が含まれます。



 桃太郎




                  makoto-jin-rei




 今は昔、戦国の世のこと。人里離れた山間いのあばら家に一風変わった老夫婦が棲んでいた。
 翁は表向きは毎日山に薪用の柴を刈りに出掛けるが、当然それだけでは生計は成り立たたない。
 実は、峠を縄張りとする山賊の支配下で"おこぼれ"をもらい、時には戦場から逃げ延びて力尽きた落武者から刀や槍・鎧兜や着物を引き剥がして集めたりもするが、本業は死んだ落武者や山賊が殺した旅人の屍を切り裂き肝臓や胆嚢を抜き取って、日干にして団子状の丸薬にし「滋養強壮や労咳に効あり」として、月に一度の市で売るのが生業であった。勿論山賊の頭にはそのみかじめ料を納めている。
 さて二人の棲んでいるあばら家には近くに井戸すらなく、媼は毎日川に水汲みや洗濯へ出かけていた。
 ある日媼が洗濯の為に川へ出ると、川上から溺れて流れ着いたのか、若く美しい女が、水面に大きな臀部を桃のように露わにしたまま、半死半生の体で川のせせらぎに浮いていた。女は身ごもっているようで意識を失いかけても臨月に近い大きな腹を懸命に庇っている様子がわかる。着物は襤褸布のように破けほぼ半裸の状態だったが残った衣布は一見して高価な絹織物であり、色白で肉置き豊かな上流階級の者の体形である。おそらく高貴な身分の武士の奥方なのであろう。若い頃は翁と二人で山賊の下働きもしていた媼だ。今でも獲物を見極める目は持っている。
 「おやおや、もはや虫の息の腹ボテじゃがこれは見事な上玉だこと。お爺さんの土産にうちへ連れて帰りましょう」
 媼は痩せて骨の突き出た細い腕で女をあばら家に連れて帰ろうと引き上げるが、女は身ごもっていて重いうえに最期の力を振り絞るかのように必死な抵抗を重ねている。媼は歯のない口を開き腐った糠味噌のような口臭をまき散らしながら、下衆な笑みを浮かべつつ女の耳元で囁いた。
 「あっちの山賊に捕まれば、奴らは皆若いので何人にもに何度も何度も輪姦されてから惨たらしく殺されるぞ。こっちの爺さんはもう枯れておるからせいぜい悪戯をする程度じゃ。それともこのままここで山犬の餌になるのがよいか」
 女は覚悟したのか力なく頷き媼に抱きかかえられてあばら家に連れ込まれた。
 日が暮れてから翁は山からあばら家に戻った。
 「お婆さん、今帰ったよ。」
 「おや、お爺さん、お帰りなさい。待ってましたよ。今宵はいいものを上げますから」
 「それはありがたいの。何じゃね、そのいいものというのは」
 最近は近隣で戦も少なく落武者狩りの成果は少ない。今日も山賊が襲った旅の一行の斬り捨てた下郎の屍一体から、粗末な古着と痩せて小さな肝臓と胆嚢を持ち帰ったのみだ。翁は草鞋を脱いで囲炉裏端に上り座ると、媼は土間から半裸の妊婦を抱え上げて筵の上に投げ出した。
 「ほら、ご覧なさいこの上玉を。もはや半死半生じゃがな」
 「ほほう、これはこれは美しい女子じゃ。どこぞで勾引かした」
 「いいえ、勾引かしたではありません。今日川で拾って来たのですよ」
 「それはおそらく昨夜、山賊に襲われた旅の一行から川下に逃げ落ちた奥方様じゃろうて」
 翁はそう言いいながら、女を乱暴に全裸に剥き脱がすと、舌なめずりをしながら桃のような大きな臀部を執拗に弄び続けた。女は翁にされるがままに身体をまかせていたが、最期は仰向けになり死んだ魚のような白く濁った両目で、月明かりの漏れる粗末な茅葺の天井を力なく見つめていたが、やがてすべてをあきらめて絶望したのか、静かに目を閉じてそのまま燃え尽きるように息を引き取った。
 「女はやはり死におったか。腹の赤子はまだ生きておるじゃろうか」
 出刃包丁を手にした媼は、まだ女の骸の尻にむしゃぶりつく翁を無理矢理に足蹴にして引き剥がした。そして臀部を裏返し蛙のように仰向けにさせてから、下腹部の張りつめた皮に出刃をそっと立てると、ゆっくりと横一文字に押し挽いて、残忍にその子宮を切り裂き開いたのだった。



つづく



→ makoto-jin-rei版「桃太郎」その二