「螢草」(双葉文庫)

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螢草 (双葉文庫)

螢草 (双葉文庫)




図られて城内で刃傷沙汰を起こし、
切腹をした父の無念、
そしてそれを抱えたまま、
労咳で亡くなった母の意思を胸にしまい、
身分を隠して女中となった十六歳の菜々。
奉公先の風早家は心暖かい家で、
当主・市之進、奥方・佐智に導かれて、
四歳嫡男・正助、三歳娘・とよと、
満ち足りた幸せの日々を過ごす。
しかし江戸の前藩主に絡む、
不正を糺そうとする市之進は、
罠にはまり危機に陥る。
その相手方は父の仇でもある轟平九郎。
菜々は孤軍奮闘し、
ついには。。。。



月草の仮なる命にある人をいかに知りてか後も逢はむ




大好きな葉室麟さんですが、
この作品は本当に良かった。
一部に時代考証や、
「話が出来すぎ」とか、
「善悪の区別がはっきりし過ぎ」との、
批判もあるみたいだけど、
そんなことは気にならないほどに、
主人公がいい。登場人物がいい。
そしてそれぞれのセリフがいい。
いや、my favorite以上に、
藤沢周平蝉しぐれ」に並んで、
今まで読んだ全時代小説の中でも上位に入り、
いつまでも読み返したい小説の一つになりました。




絶対映画化されると思いますよ、近いうちに。