「潮鳴り」(祥伝社文庫)


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潮鳴り (祥伝社文庫)

潮鳴り (祥伝社文庫)





さて本日二本目の葉室麟作品は、
ようやく文庫化されました、
直木賞受賞作「蜩ノ記」と同じ、
豊後・羽根藩を舞台にした第二弾。




お役目に不手際があり、
御役御免となって、
隠居して漁師小屋で、
酒浸りの日々を送る主人公・櫂蔵。
襤褸蔵と呼ばれるほどに身を落とす。
しかし家督を譲った腹違いの弟が切腹
酒を絶ち、再び出仕に就いて、
弟の無念を晴らそうと奔走する。
次第に武士の矜持を取り戻す櫂蔵。
酌婦・お芳との淡い恋、
継母・染子との確執、
そして胸のすくような逆転劇。
葉室麟作品らしい、
ほろ苦く爽やかな後味。
こっちの方が好きだな俺氏。



「落ちた花は二度と咲かぬ。」



「二度目に咲く花はきっと美しいと思う。
一度目は傲慢に咲くが、
二度目は苦しみ悲しみを乗り越えて、
そうありたいと願って咲くから。」