Prime Video「最強のふたり」


最強のふたり (字幕版)

最強のふたり (字幕版)




公開当時からずっと観たかった、
実話を基にしたフランス映画をやっと、
amazon prime videoで鑑賞しました。
本国フランスであの、
アメリ」の観客動員数を抜き、
日本でも歴代のフランス語映画で、
No.1になった作品です。



事故による頸髄損傷で首から下が麻痺し、
身体を動かすことが出来ない富豪のフィリップ。
新たな住み込みの介護人を雇う面接を訪れたのは、
失業保険の延長受給目当てで、
ただ不合格のサインが欲しかったドリス。
過去には強盗の前科もある、
貧困の中で育った移民のドリス。
偏屈なフィリップは周囲を反対を押し切って、
ドリスを試採用にする。
やがてふたりは雇用の間柄を越えて、
友情をも越えた関係となるが。。。




この映画には「障がい」と「人種」の、
二つの「差別」問題を内包しています。
昨今、某テレビ局のチャリティ番組が、
「感動ポルノ」であると議論されていますが、
この映画のドリスのフィリップに対する態度は、
おそらく日本の映画やドラマでは、
けして表現出来ないほどに過激で、
日本人である私が観れば、
ヒヤヒヤしてしまうもの。
それでもこの映画が「差別的」であると、
避難されない理由はなんだろう。
ドリスはフィリップの障がいを揶揄しますが、
それはけして蔑むものではないのです。
また映画ではドリスは、
アフリカ系の黒人として設定されていますが、
実際はアルジェリア出身の、
アラブ系の青年だったとか。
いずれにしても有色人種は、
フランスでは「差別」されることが多く、
ドリスに対する他の白人達のセリフも、
字幕では分からない、
差別的なニュアンスの表現を、
用いているんだそうです。



さて邦題は「最強のふたり」と、
なんやあんましセンスあらへんけど、
原題は「Intouchables」。
直訳すれば「触れ合えない者たち」。
こっちの方が全然深いなぁ。



派手なアクションも、
特に起承転結もない、
この地味な映画が、
こんなに大きな感動を生み出すのは、
なぜなんだろう。。。
とても深く考えさせられる映画です。
私の映画百選に追加致しました。





→ makoto-jin-reiの映画百選




夕方の淡い光を受けたソメイヨシノ  盛りを過ぎたスミレの群生