元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】

習志野在住紀尾井町勤務の千葉都民。神社仏閣・歴史散歩、カメラ、ロードバイクが趣味。ラーメン(二郎京成大久保店ホーム)・蕎麦が好物。

経栄山 題経寺 (柴又帝釈天)

本尊 大曼荼羅
宗派 日蓮宗
125-0052 葛飾区柴又7-10-3
公式サイト http://www.taishakuten.or.jp






二天門  



さて寅さんの仁義切りの、
帝釈天で産湯を使い」で有名な、
柴又帝釈天にお参りしましょう。
神楽坂毘沙門天や、
入谷鬼子母神と同様に、
あくまで帝釈天は通称で、
正式名称は経栄山題経寺。
日蓮宗のお寺ですから、
お寺の本当の本尊は、
「南無妙法蓮華経」の題目の周囲に、
如来や菩薩、天部等の名を記した大曼荼羅
元々は中山法華経寺の末寺だったそうです。




二天門  日光東照宮 陽明門



山門である二天門は、
明治二十九年(1896)の建立。
入母屋造瓦葺の楼門で、
一説には日光東照宮の、
陽明門を模しているとか。
比べてみると確かに、
クリソツに似ています。




広目天  増長天  



初層の左右を覗き込むと、
帝釈天配下の四天王の内の、
増長天広目天の二天が安置されます。
だから二天門なのデス。
この四天王は平安時代の作だそうで、
門の建立時に堺の日蓮宗妙国寺から、
寄贈されたものとか。




二天門と大鐘楼  境内案内図



さて改めまして二天門をくぐり、
境内をくまなくお参りして見ましょう。



大鐘楼




佐藤蛾次郎さん扮する源公が、
毎回鐘をついていた大鐘楼は、
昭和三十年(1955)の建立。
ちなみに寺男の源公は、
佐藤蛾次郎さんが、
交通事故で怪我して休んだ、
第8作のみ登場シーンがなく、
その他は全作に出演する、
渥美清=車寅次郎、
倍賞千恵子=諏訪さくら、
前田吟=諏訪博、
三崎千恵子=おばちゃん、
太宰久雄=タコ社長、
の、登場に次ぐ出演本数。



帝釈堂と瑞龍の松




二天門をくぐって正面、
実はコレ本堂ではなく、
帝釈天を祀る帝釈堂、
神社のように手前の拝殿と、
奥の内殿が喜見城と名付けられ、
ともに入母屋造瓦葺。
内殿は大正四年(1915)、
拝殿は昭和四年(1929)の建立。
内殿に安永八年(1779)に、
中興の祖とされる九世住職、
亨貞院日敬が再発見したという。
日蓮自刻の帝釈天板本尊を安置し、
その左右に先ほどの四天王のあと二天、
持国天多聞天毘沙門天)が祀られています。
また帝釈堂の前の松は樹齢約五百年で、
高さ約10m、幹回約1.8mの大木で、
「瑞龍の松」と名付けられて、
東京都指定天然記念物に登録されています。




彫刻ギャラリー





帝釈堂内殿、喜見城の外壁、
東・北・西の全面が、
装飾彫刻で覆われており、
これを「彫刻ギャラリー」として、
大客殿、邃渓園と合わせて、
有料で一般公開をしています。



彫刻  彫刻


大正十一年(1922)から、
昭和九年(1934)にかけて、
加藤寅之助ら十人の彫刻師が、
一面ずつ分担制作したという、
法華経の説話の十話を、
胴羽目板に浮き彫りにした十面が見事。
上方には十二支と天人。



彫刻  彫刻


下方には千羽鶴が表されて、
高欄より下の部分には、
花鳥や亀、龍が、
浮き彫りで彫られています。





絵馬



また彫刻を保護する為に、
内殿は建物ごとガラスの壁で囲われ、
中に冷暖房完備の、
見学者用の通路があり、
ここにこのような江戸期に奉納された、
絵馬等も展示されていて、
すべてが撮影OKと太っ腹デス。




渡り廊下  邃渓園・大客殿への廊下



さて拝殿・帝釈堂、
内殿・喜見城から、
よく映画で寅さんと源公がふざけていた、
渡り廊下を渡りまして、
彫刻ギャラリーと共通で拝観出来る、
邃渓園、大客殿へと向かいます。




邃渓園入口



邃渓園は、大客殿前に広がり、
昭和四十年(1965)に、
向島の名庭師・永井楽山が、
最後に設計したという池泉式庭園。



邃渓園  邃渓園




庭園内に立入は出来ませんが、
大客殿の廊下とそれがつながる、
屋根付きの回廊から、
外周を回り見ることが出来ます。




御神水




この湧水の御神水が、
車さんの産湯に、
使われたのでしょうか。
いやそれはあくまで、
テキ屋の仁義切りで、
芸者がひっそりと、
だんご屋の主人の、
婚外子を産んだ訳ですから
そんなに派手な出産とは思えません。




大客殿の廊下  彫刻の下絵
大客殿  横山大観の下絵
大客殿  大客殿の曼荼羅




さてその庭園前の大客殿は、
昭和四年(1929)の建立で、
これまた入母屋造瓦葺で平屋建の、
左右に細長い建築。
座敷四室が一列に配し、
庭に面して廊下があります。
それぞれ座敷やその欄間には、
彫刻の下絵や下彫、板本尊の写し等、
数々の寺宝が並べられ、
もっとも奥の「頂経の間」には、
曼荼羅のある床の間に、
日本一といわれる樹齢約千五百年の、
南天の床柱」があります。





本堂と釈迦堂






順序が逆になりましたが、
この大客殿の手前にあるのが、
曼荼羅日蓮を祀る、
祖師堂とも呼ばれる、
本来の日蓮宗寺院としての本堂です。
さらにその手前右側が、
開山堂とも呼ばれる釈迦堂で、
寺内最古の建築だそうで、
奈良時代作の釈迦如来立像と、
開山の日栄、中興の祖の日敬の、
木像二躰が祀られています。





さて、余談ですが、
映画の中では笠智衆さん演じる、
「御前様」と呼ばれる住職が、
何度か般若心経を、
唱えるシーンがありますが、
日蓮宗はご存知の通りに、
マブ「南無妙法蓮華経」命ですので、
般若心経は唱えません。
また笠智衆さんは、
浄土真宗本願寺派の、
お寺の息子さんだそうで、
これまたマブ「南無阿弥陀」命で、
般若心経は唱えません。
昔の映画はとても大らかだったんですね。
未成年の飲酒とか、
自転車飲酒運転のシーンもあるし。
銀行強盗がシートベルトをしないと、
クレームが来るという現代とは大違い。