矢切の渡し

営業時間 夏季10:00〜16:00頃
(冬季:土日祝日、庚申の日のみ運航)
料金 大人片道200円、子ども片道100円
125-0052 葛飾区柴又7-18先






江戸川  取水場




さて「男はつらいよ」の、
代表的なオープニングといえば、
あの荒唐無稽な夢オチの後に、
主題歌が流れる中を、
寅さんが江戸川の土手を歩き、
サイレント映画の如く、
河原のカップルや通行人と、
ドタバタ騒ぎを起こすシーンが、
最も多いパターンですが、
よくよく考えると、
旅立ちは京成柴又駅か、
上野駅のことが多い寅さんが、
なぜ帰郷は江戸川の河原なのか?
第1作は二十年ぶりの里帰りで、
まさに矢切の渡しで、
千葉方向から帰ってくるんですが、
他の江戸川の帰郷のシーンは、
皆、金町浄水場の脇をかすめて、
柴又方面に向けて歩いているんです。



これに関してワタシは仮説を立てました。
寅さんはJR常磐線金町駅より、
徒歩で柴又まで歩いているのではないかと?
JRで201km以上の長距離の切符では、
行き先が「東京都区内」となりますので、
金町までは追加料金はありません。
(101kmから200kmは「山手線内」です。)
つまり上野からの柴又までの、
京成電車の運賃を節約する為、
寅さんは金町駅から歩いているのです。
しかし京成電鉄には、第1作目から、
撮影に協力してもらっている恩があり、
金町で電車を降りるシーンはないのです。
( ・`д・´)ドヤ



金町浄水場の取水塔  金町浄水場



さて、その金町浄水場は、
大正十五年(1926)開設で、
江戸川の水を取水しておりますが、
水系上流の水質悪化や、
取水口の上流の対岸に、
松戸市下水処理場の排水口があり、
カビ臭くて有機物のカスまで浮かせた、
「日本一まずい水道水」でした。
しかし東京都水道局は、
平成四年(1992)に、
オゾンによる高度浄水処理を行い、
今では残留塩素を除去した、
ボトルウォーターを『東京水』として、
市販するなど水質は向上。
厚生労働省の「近代水道百選」にも、
選ばれているとか。
こち亀」の主題歌でも有名な、
とんがり帽子の取水塔は、
昭和十六年(1941)建設の第二取水塔。
丸い屋根の第三取水塔は、
昭和三十九年(1965)の建設です。





矢切の渡し  桟橋入口




さて、閑話休題
本題の矢切の渡しです。




→ 山武市歴史民俗資料館〜伊藤左千夫生家〜
→ 「野菊の墓」




伊藤左千夫の名作「野菊の墓」で、
政夫と民子の今生の別れの場になった、
この「矢切の渡し」は、
同名の歌謡曲も何度かヒットしており、
今も人気の観光スポット。


注意書



江戸初期から続く、
残り少ない渡し船の一つですが、
昔は当然官営でしたが、
観光用になってからは、
代々個人が運営しているようで、
様々な個性的な注意書きの貼紙があります。
風の強い日や繁忙期には、
モーターを利用しています。
空いている時には、
追加料金で自転車を乗せることが可能とか。



渡し船  矢切側の桟橋




渡しに乗り、松戸側に渡って
野菊の墓文学碑を見るつもりでしたが、
雨も降り始めまして、
なかなか対岸で客が集まらないのか、
こちら側に戻ってくる様子がないので、
なくなく諦めました。




矢切の渡し歌碑




桟橋入口の夾竹桃の脇に、
葛飾観光協会
帝釈天門前神明会等が協賛して、
平成十年(1998)に建立した、
この「矢切の渡し」歌碑が、
ひっそりと佇みます。