【秩父第十四番】長岳山 今宮坊 〜今宮神社の龍神木〜

宗派 臨済宗
本尊 聖観世音菩薩
ご詠歌 昔より 立つとも知らぬ 今宮に 参る心は 浄土なるらん
368-0043 秩父市中町25-12 




今宮坊



第十三番・慈眼寺を、
北東側から離れまして、
御花畑駅から伸びる商店街を、
チャリはスイスイと北西に進みます。
目指す次の札所と、
神仏分離以前は一体だったという、
今宮神社を右に見て更に50m進み、
第十四番・今宮坊に到着しました。




本堂




今は方三間の小さな本堂ですが、
創建は永観二年(984)とされ、
どこぞの弘法大師空海が、
この地を訪れると、
役行者随身という童子が現れて、
そこにあった栢の木を用いて、
観音菩薩を彫るよう、
指示したことに始まりますが、
現在の本尊は江戸時代初期の、
珍しい半跏趺坐の聖観音とか。




勢至菩薩堂



本堂左には勢至菩薩を祀る、
勢至堂がありますが、
今宮神社と一体だった頃の、
神仏習合の名残でしょうか。
堂前に阿吽の狛犬があります。




境内の白檀の木にとまるアブラゼミ




本堂前の白檀の木に、
アブラゼミが止まっていて、
夏の名残りの鳴き声を、
弱々しくあげていました。
樹皮の表面を指で擦ってみましたが、
あの白檀の香りは分かりません。





第14番朱印





今宮神社





さて元は一体だったという、
今宮神社がこの今宮坊の、
約50m南東にあります。
当時はこの二つが、
つながった同じ境内でした。
ちょっと立ち寄りお参りします。





龍神木  龍神木  





圧巻なのはこの大樹、
推定樹齢千年を超える、
役行者が観音様の化身の八大龍王と、
皇室所縁の宮中八神を祀ったという、
この「駒つなぎのケヤキ」です。



龍神木の案内






空洞があり洞木と呼ばれていこの木は、
龍の棲家とも呼ばれていましたが、
なんとつい最近の平成三年(1991)、
12月30日13時30分のこと、
元旦祭の準備をしていた氏子が、
社殿の清掃をしていると、
御神体の龍が動き出し、
周囲に突風が起こりました。
風は竜巻となり空へと上り、
やがてこのケヤキの空洞に消えました。
それからこの木を正式には、
「靇神木」と呼んでいるそうです。
なんと新しい"日本昔ばなし"なのでしょうか...。