「黒澤明 DVDコレクション」12『野良犬』

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黒澤明 DVDコレクション」 
→ 1『用心棒』
→ 2『七人の侍』
→ 3『赤ひげ』
→ 4『椿三十郎』
→ 5『天国と地獄』
→ 6『羅生門』
→ 7『乱』
→ 8『隠し砦の三悪人』
→ 9『生きる』
→ 10『蜘蛛巣城』
→ 11『醉いどれ天使』





黒澤明監督作品と「スター・ウォーズ」シリーズ 
→ その一その二
→ 「黒澤明という時代」(文藝春秋)
→ DVD「羅生門」その一
→ DVD「生きる」・「赤ひげ」
→ DVD「姿三四郎」・「續姿三四郎」
→ DVD「一番美しく」
→ 「黒澤明」関連の記事










終戦直後の東京を舞台に、
拳銃を盗まれた若い刑事が、
ベテラン刑事と共に、
犯人を追い求めるストーリーですが、
今ではすっかり確立しております、
ドキュメンタリータッチの「刑事モノ」も、
ベテランと新人刑事の「相棒モノ」も、
全てはこの映画から始まりました。
前々作の『醉いどれ天使』と同様に、
三船敏郎志村喬の二枚看板。
東宝争議の最中で、
東宝で制作された作品で、
助監督は黒澤明の盟友である、
あの本多猪四郎が務めています。
後に黒澤プロの取締役となる菊島隆三が、
まだ東宝の新人の脚本部員で、
初めて黒澤に共作に抜擢され、
警視庁捜査一課に通いつめて、
脚本の題材を集めようとしますが、
なかなか映画になるような話はなく、
黒澤に刑事の苦労話を披露するも、
「刑事が犯人を捕まえる為に、
苦労するのは当たり前」と却下。
しかしその瞬間、捜査一課の係長が、
コルトをカバンにしまいながら、
「朝晩こんなものを持って
通うなんて厄介なことだよ。
大きな声じゃ言えないが、
紛失したりするのがいて困るんだ」
と、呟いたのを思い出します。
それを聞いた黒澤が、
「え!!それいけるじゃないか」
と、まずは小説体で文章を作り、
シナリオに直して完成したとか。
「刑事モノ」「相棒モノ」が好き方は、
是非、その「原点」をご覧下さい。




ムクゲの花