「伊賀の残光」(新潮文庫)

→ 「春山入り」(新潮文庫)
→ 「白樫の樹の下で」(文春文庫)
→ 「かけおちる」(文春文庫)
→ 「鬼はもとより」(徳間文庫)
→ 「つまをめとらば」(文春文庫)




伊賀の残光 (新潮文庫)

伊賀の残光 (新潮文庫)





青山文平マイブーム六冊目。
これにて現在文庫化されている作品は、
すべて読了となります。





大久保組伊賀同心、
鉄砲百人組の老武士、山岡晋平。
若き日は一刀流の俊傑で名を馳せたが、
家督を継いでからは、
三十俵二人扶持の門番の御役目と、
サツキ栽培で活計を立てていた。
流行り病で妻が先立ち七年、
三年前に一人娘を嫁に出した。
山岡家は晋平で断絶となるが、
心安らかな日々を送っていた。
しかし突然、幼馴染の同心が殺され、
晋平は事件の核中へと吸い込まれてゆく。




当然、青山文平作品ですから
「天下泰平」の江戸の世が舞台ですが、
青山作品にしては「殺し」や、
「陰謀」が色濃い作品。
巻末の解説が葉室麟さんなのは、
ワタシは胸熱だなぁ。
やはり葉室さんは青山さんに、
藤沢周平にも似た「鬱屈」を感じています。





「流水浮木―最後の太刀―」の改題ですが、
原題よりも全然良いと思います。
最後に「残光」を確かに感じました。