「黒澤明 DVDコレクション」24『デルス・ウザーラ』

公式サイト https://publications.asahi.com/kad/







黒澤明 DVDコレクション」 
→ 1『用心棒』
→ 2『七人の侍』
→ 3『赤ひげ』
→ 4『椿三十郎』
→ 5『天国と地獄』
→ 6『羅生門』
→ 7『乱』
→ 8『隠し砦の三悪人』
→ 9『生きる』
→ 10『蜘蛛巣城』
→ 11『醉いどれ天使』
→ 12『野良犬』
→ 13『静かなる決闘』
→ 14『悪い奴ほどよく眠る』
→ 15『影武者』
→ 16『生きものの記録』
→ 17『どですかでん』
→ 18『どん底』
→ 19『わが青春に悔いなし』
→ 20『素晴らしき日曜日』
→ 21『白痴』
→ 22『姿三四郎』
→ 23『續姿三四郎』

黒澤明監督作品と「スター・ウォーズ」シリーズ 
→ その一その二
→ 「黒澤明という時代」(文藝春秋)
→ DVD「羅生門」その一
→ DVD「生きる」・「赤ひげ」
→ DVD「一番美しく」
→ 「黒澤明」関連の記事





昨日寒い中を薄着で、
チャリで走ったせいか、
夜には激しい悪寒がして、
朝にも熱が下がらずに、
不本意ながら今日は、
会社を休んでしまいました。
てな訳で貯金ネタデス。





いつもはDVDの発売日に、
このブログ記事をアップしておりますが、
今回だけは少し遅れてしまいました。
実はワタシ、黒澤明監督作品、
全三十作中の二十九作は、
すべて五回〜二十回以上観ておりますが、
この『デルス・ウザーラ』だけは、
今回初めて鑑賞したんです。





ロシア人探検家で、
物語の作者であるアルセーニエフは、
当時ロシア政府にとって、
地図上の空白地帯の、
地図製作の命を受けて、
探検隊を率いることとなる。
先住民の猟師デルス・ウザーラが、
ガイドとして彼らに同行することになり、
シベリアの広大な風景を背景に、
二人の交流を描くストーリー。
ロシア人の演技が美味いのか、
どうかはよく分かりませんが、
やはり黒澤明の演出だな。
と、納得してしまうこだわりが見えます。




黒澤明監督唯一の海外作品で、
ソ連・日本の合作、
昭和五十年(1975)の公開。
集大成とも言われた『赤ひげ』の後、
暴走機関車』、
トラ・トラ・トラ!』の頓挫、
『どですかんでん』の興行的失敗、
そして自殺未遂という困難を乗り越えた作品。
冷戦時代のソビエト連邦に招かれたものの、
当時のソ連は計画経済であり、
撮影カットにもノルマが課せられます。
日本人スタッフは黒澤を含めて、
わずか六名でエコノミークラスで、
11時間をかけてソ連に渡ったとか。
また当初のソ連の要望で、
アルセーニエフは三船敏郎
ウザーラは志村喬という、
構想もあったそうですが、
結局はやはり断念します。
しかし三船は撮影の陣中見舞いに訪れて、
「ちょい役でもいいから出してほしい」
と、三船が言うと、
「三船ちゃんをちょい役では出せないよ」
と、黒澤に断られたとか。
そして二人が公式に会ったのは、
これが最後になりました。
また登場するトラは、
当初サーカスのものが、
予定されていたものの黒澤は、
「目が死んでいるね。
野生のトラでないとダメだよ」
と、要求してソ連側が受け入れて、
シベリアで野生のトラが捕獲されました。
しかしホンモノの野生の虎は、
さすがに黒澤の言うことも聞かず、
結局は一部のみの使用で、
大部分はサーカスのトラが使われたそうです。
第48回アカデミー賞外国語映画賞等、
数々の映画賞に輝き、
巨匠の復活を世界に、
知らしめる作品となりました。