「家康、江戸を建てる」(祥伝社文庫)

 

体調があまり優れず、
昼飯はコンビニで適当に済ませたもので、
いつもの通り貯金の読書ネタで失礼致します。

 


家康、江戸を建てる (祥伝社文庫)

家康、江戸を建てる (祥伝社文庫)

 

 

あの「銀河鉄道の父」で、
第158回直木賞を受賞した門井慶喜さんが、
第155回で二度目の候補になった作品。
装丁とタイトルがいかにも、
ドキュメンタリータッチなので、
直木賞候補で話題になるまでは、
ノンフィクションの本だと思ってました。
このお正月にNHKでドラマ化放映されましたが、
そちらはまだこの文庫を読む前だったので、
録画はしておりますがまだ観ていません。
題名の主語は「徳川家康」ですが、
それぞれの話の主役「家康」はではなく、
「川の治水」、「金貨」、
「飲料水」、「石垣」、
と、いった江戸の基盤を作り上げた、
職人たちのオムニバスストーリー。
最後に「天守」の話となり、
秀忠が家康と語り、
平和のバトンをつなげます。
これを完全に現代人の視点の語り部が、
淡々と紡ぎあげていきます。
この展開が実に新鮮で斬新。
ラストも胸熱でいいなぁ。
ありそうであまりない、
新しいタイプの歴史小説の傑作デス。