「麦と兵隊・土と兵隊」(角川文庫)

さて本日も、
ランチを抜いて頑張ります。
てな訳で貯金の読書ネタです。








「長く高い壁 The Great Wall」(角川文庫) - 元・【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】




麦と兵隊・土と兵隊 (角川文庫)

麦と兵隊・土と兵隊 (角川文庫)


どんなに検閲がうるさく、制限がきびしかろうとも、書いておきたいものがあった――(あとがきより)
陸軍報道部員として日中戦争に従軍した著者が愛をもって描く兵隊と中国民衆。
果てしない麦畑を進軍、九死に一生を得た徐州作戦の経験を日記形式で綴る「麦と兵隊」、
杭州湾敵前上陸作戦に臨み、死と隣り合わせの日々を懸命に生きる兵隊の心情を弟への手紙形式で綴る「土と兵隊」の2作を収録。
戦場のリアルを限界まで追求し、書けなかった現実をも想像させる名作。



浅田次郎氏の最新文庫化、
「長く高い壁 The Great Wall」
と、同時刊行された、
火野葦平氏の、
「麦と兵隊・土と兵隊」
を、読了しました。
角川文庫としては、
初版は昭和35年ですが、
今回は令和3年の改版初版発行。
実際「麦と兵隊」「土と兵隊」は、
昭和十三年(1938)の発表で、
「花と兵隊」と合わせて、
火野葦平「兵隊3部作」と呼ばれています。
火野氏は「麦と兵隊」「土と兵隊」
の、発表と同じ年の、
昭和十三年(1938)に、
「糞尿譚」という作品で、
第六回芥川賞を受賞しています。
さて「麦と兵隊」は徐州会戦従軍記。
当局により削除されていた、
捕虜の殺傷場面などを、
戦後、記憶を頼りに補筆して、
「最終稿」としたものがコチラです。
一方「土と兵隊」は、
徐州攻略戦の前年に当たる、
広州湾敵前上陸記で、
弟に対する手紙という形式の小説です。
どちらも戦中、戦後にかけて、
100万部以上の版を重ねたベストセラー。
まだ従軍経験者が山ほどいる時代に、
リアルであると高く評価された作品です。
戦闘も捕虜の処刑も、
時系列に淡々と描かれています。
従軍記はいろいろ読みましたが、
これほどまでに自らの経験を、
どこか客観的に表現した文面は、
私は他に知りません。
戦後、火野氏は「戦犯作家」として、
戦争責任を厳しく追及され、
公職追放を受けますが、
自伝的長編「花と竜」や、
自らの戦争責任に言及した、
「革命前後」等で再び流行作家となります。
しかし昭和三十五年(1960)に、
睡眠薬で自ら命を絶ちます。享年53歳。


死にます、芥川龍之介とは違うかもしれないが、
或る漠然とした不安のために。
すみません。おゆるしください、さようなら



20210308体重・体脂肪率




ランチを抜けば確実に痩せます。
このまま一気にゴールを目指しますか?
土曜日の眉二郎でまた元に戻りますが。



┐(´д`)┌