日本百観音順打ち巡礼記

旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】

makoto-jin-rei 版「桃太郎」その三

makoto-jin-rei 版「桃太郎」 その → 



さて、本日も、
長男夫婦が孫を連れて、
遊びに来てくれていますが、
私は中抜けの休日出勤。
ブログは先日完成した、
桃太郎の完結編をお届けします。




ボン爺書「桃太郎」







桃太郎



        makoto-jin-rei



 
 桃太郎は、鬼島への遠征を始める前に、まずはその準備を着々と進めた。団子薬の販売の管理を握ったことで、自身の地位を固め、部下たちの忠誠心を確保した。団子薬の供給は彼の支配力の象徴となり、野武士集団の士気を高める手段ともなった。
 その一方で、桃太郎は戦略を練った。まずは山を下るための経路を探し、猿の如く山を知り尽くした忍びたちが前哨を探る役目を果たした。彼らは山道を切り開き、安全な道筋を確保した。次に、海を渡るための船の準備だが、これには水師の知識が不可欠だった。桃太郎は海賊出身の部下たちから、航海技術と船の扱い方を学び、数隻の船を確保した。
 桃太郎は自らが先頭に立つことを選び、忠実で勇敢な犬のような重臣を側に置いた。出発の前夜、彼は部下たちに語った。
「我々は鬼島へ向かい、そこに眠る財宝を我がものとする。そのために、犬は忠実に、猿は賢く、雉は敏捷に動け。鬼はただの人間ではない。魔物のようだが、我々の勇気と知恵で打ち負かすことができる。皆、覚悟を決めよ!」
 翌朝、一行は山を下り、川を遡るように船を進めていった。海に出ると、風と波に揺られながら鬼島を目指した。数日間の航海の末、島が見えてきたとき、桃太郎はその巨大な帆船の残骸を見て、胸の内で計画の正しさを確信した。
 上陸すると、桃太郎は部下たちに指示を出し、島の探索を開始した。島の住人たち、すなわち「鬼」と呼ばれる者たちは、強力な武器を持ち、守りを固めていたが、桃太郎の集団はその知恵と勇気で次第に優位に立った。
 戦闘は激しかったが、桃太郎の戦略が功を奏し、ついに鬼たちの首魁を捕らえることに成功した。鬼たちは実は遠くから来た冒険者たちであり、言葉も習慣も異なっていたが、桃太郎の知恵と力の前に屈したのでたる。
「我々は鬼島を制圧した。ここにある財宝は我々のものだ。しかし、我々はただ略奪するのではなく、ここで新たな支配を築く。鬼たちも我々の一員として生きていく道を選べば、その価値を認めよう。」
 こうして、桃太郎は鬼島を自分の領土とし、財宝と共に帰還した。彼はその財宝の一部を部下に分配し、団子薬のさらなる生産と販売を拡大することで、さらなる力と富を得た。山賊から始まった彼の人生は、今や一人の偉大な領主として歩み始めていた。
そして、桃太郎はこの新しい領土を拠点に、さらなる拡大を夢見ていた。和平を保ちながらも、常に新たな挑戦を求める彼の物語は、まだまだ続くのであった。
 しかし戦国の世を経て現代に繋がる歴史の系譜に彼らの痕跡は全く残っていない。