「七つの忠臣蔵」(新潮文庫)

今朝の清水谷公園のソメイヨシノ





はい、さて今日は、
週イチのローテに戻りましたD番ですので、
ランチネタすらなく貯金ネタの棚卸し。
まず一本目は読書ネタでございます。




→ 吉良邸〜墨田区本所松坂町公園〜
→ 赤穂城跡・大石神社〜大石内蔵助良雄像その三〜
→ 台雲山花岳寺〜浅野長矩及び赤穂義士墓その三・大石内蔵助良雄像その二〜
→ 高野山金剛峯寺〜浅野長矩及び赤穂義士墓その二〜
→ 「いのちなりけり」「花や散るらん」(文春文庫)
→ 「タイムスリップ忠臣蔵」 (講談社文庫)
→ 謎手本忠臣蔵〈上・中・下〉 (新潮文庫)
→ 大石内蔵助キューピー
→ 「サライ 2007年 12/20号〜忠臣蔵を旅する〜」
→ 萬松山泉岳寺〜浅野長矩及び赤穂義士墓その一・大石内蔵助良雄像その一〜
→ 大石良雄他十六人忠烈之跡
→ 忠臣蔵夜咄 (角川文庫)
→ 浅野内匠頭終焉之地
→ 皇居東御苑(松之廊下跡)
→ 赤穂浪士討ち入りの日
→ 「赤穂」関連の記事
→ 「忠臣蔵」関連の記事




これらの過去記事の通り、
何度も何度も触れてはおりますが、
「赤穂事件≠忠臣蔵」マニアのワタシ。
研究書や小説は粗方読み尽くし、
昨年夏に念願だった赤穂市を訪れて、
すでに「燃え尽くした感」がありましたが、
最近こんな文庫が発売になりました。







吉川英治
池波正太郎
柴田錬三郎
海音寺潮五郎
佐江衆一
菊池寛
山本一力という、
七人の巨匠の短編を、
縄田一男氏が編纂した文庫化です。




事件の中心となった、
四十七士の足跡そのものではなく、
それをとりまく人々の、
前日譚、後日譚、
それぞれの立場や視点から、
赤穂事件を描いた作品ばかりです。



浪士討ち入りから314年。
ワタシが言うのもなんだけど、
日本人、忠臣蔵好きだよねぇ。
なんなんだろうこの求心力。



しかし不思議なことに、
あの司馬遼太郎は、
この事件を主題とした作品を書いていません。
歴史の波に埋もれかけていた、
坂本龍馬河井継之助を掘り起こして、
脚色を加えて生き返らせた彼にすれば、
「赤穂事件≠忠臣蔵」の面々は、
すでに完成され尽くされていると、
判断したに違いありません。

Prime Video「きっと、うまくいく」




インド映画といえば、
どんなにシュールな悲しい映画でも、
エンドロールには、
死んでしまったキャラクターも蘇り、
素っ頓狂な音楽に合わせて、
出演者全員がミュージカルばりに踊り狂い、
この様式に慣れていない我々が観れば、
最後にすっかりドン引きしてしまいます。




さて数年前にシネマニュースで、
スピルバーグやブラピが大絶賛したという、
この映画の存在は知ってはいたものの、
なぜか今までご縁がありませんでした。
先日prime videoで「最強のふたり」を観たら、
こちらが「オススメ」に挙がり、
ようやく鑑賞しました次第。





公開当時、映画大国インドで、
歴代興行成績一位、
また世界中で様々な映画賞と、
第37回日本アカデミー賞の、
優秀外国作品賞も受賞した作品です。





インド屈指の難関工科大学で、
親友だったファランとラージュー。
卒業後10年経ったある日、
同級生のチャトルから、
とつぜん母校に呼び出される。
卒業後消息を絶ったランチョーの、
行方が分かったというチャトル。
かつてファランとラージュー、
そして成績優秀だったランチョーは、
学生寮のルームメイトで、
馬鹿騒ぎと騒動を繰り返し、
三バカと称される仲だった。
学生時代のランチョーとのエピソードと、
今現在のランチョーを探す進行が交差して、
徐々にランチョーの秘密が明らかになっていくが。。。




邦題「きっと、うまくいく」は、
劇中主人公がいつも唱える、
Aal Izz Well”を訳したもので、
これはイギリス統治時代のインドで、
夜警が見回りで口にしていた言葉とか。
原題は「3 Idiots」でまさに三バカ。
青春コメディで三バカとは、
古今東西使い古された設定ですが、
インドの古来からの身分制度や、
昨今の加熱する高学歴志向と教育問題、
若者の自殺率の高さの問題を取り上げています。
所々、インド映画独特の、
なんだかなぁミュージカルが挟まれますし、
エピソードの一つ一つも荒唐無稽で、
脚本もベタで白々しいのですが、
なぜか何度も涙を誘われてしまいます。
ランチョーを演じた主役俳優も、
実は出演時44歳だったとか。
しかし今の日本映画やハリウッド映画にない、
強いメッセージ性と情熱に溢れています。



日本映画にも昭和三、四十年代制作のモノには、
そんなパワーがあったような気がします。
これからインドはいろいろな方面で、
ますます世界的に活躍する国になるでしょう。
最近どうも連発しておりますが、
この映画も私の映画百選に追加させて頂きます。



→ makoto-jin-reiの映画百選





清水谷公園のユキヤナギ