Prime Video「きっと、うまくいく」




インド映画といえば、
どんなにシュールな悲しい映画でも、
エンドロールには、
死んでしまったキャラクターも蘇り、
素っ頓狂な音楽に合わせて、
出演者全員がミュージカルばりに踊り狂い、
この様式に慣れていない我々が観れば、
最後にすっかりドン引きしてしまいます。




さて数年前にシネマニュースで、
スピルバーグやブラピが大絶賛したという、
この映画の存在は知ってはいたものの、
なぜか今までご縁がありませんでした。
先日prime videoで「最強のふたり」を観たら、
こちらが「オススメ」に挙がり、
ようやく鑑賞しました次第。





公開当時、映画大国インドで、
歴代興行成績一位、
また世界中で様々な映画賞と、
第37回日本アカデミー賞の、
優秀外国作品賞も受賞した作品です。





インド屈指の難関工科大学で、
親友だったファランとラージュー。
卒業後10年経ったある日、
同級生のチャトルから、
とつぜん母校に呼び出される。
卒業後消息を絶ったランチョーの、
行方が分かったというチャトル。
かつてファランとラージュー、
そして成績優秀だったランチョーは、
学生寮のルームメイトで、
馬鹿騒ぎと騒動を繰り返し、
三バカと称される仲だった。
学生時代のランチョーとのエピソードと、
今現在のランチョーを探す進行が交差して、
徐々にランチョーの秘密が明らかになっていくが。。。




邦題「きっと、うまくいく」は、
劇中主人公がいつも唱える、
Aal Izz Well”を訳したもので、
これはイギリス統治時代のインドで、
夜警が見回りで口にしていた言葉とか。
原題は「3 Idiots」でまさに三バカ。
青春コメディで三バカとは、
古今東西使い古された設定ですが、
インドの古来からの身分制度や、
昨今の加熱する高学歴志向と教育問題、
若者の自殺率の高さの問題を取り上げています。
所々、インド映画独特の、
なんだかなぁミュージカルが挟まれますし、
エピソードの一つ一つも荒唐無稽で、
脚本もベタで白々しいのですが、
なぜか何度も涙を誘われてしまいます。
ランチョーを演じた主役俳優も、
実は出演時44歳だったとか。
しかし今の日本映画やハリウッド映画にない、
強いメッセージ性と情熱に溢れています。



日本映画にも昭和三、四十年代制作のモノには、
そんなパワーがあったような気がします。
これからインドはいろいろな方面で、
ますます世界的に活躍する国になるでしょう。
最近どうも連発しておりますが、
この映画も私の映画百選に追加させて頂きます。



→ makoto-jin-reiの映画百選





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