普段は仕事の話以外したことのない同僚と、
たまたま二人きりになり、
突然こう話しかけられました。
「id:makoto-jin-reiはいくつになるの?。」
「えっ、俺?、37だよ。」
「うちの息子より四つ上か。奥さんも子供さんもいるんだろ?。」
「うん、まぁ、人並みにね。」
「ははは、人並みか・・・。」
普段は「てやんでぃ・べらんめぃ」調で、
魚と釣りが大好きな、
なーんも悩み事もないような、
もうすぐ60に手が届く職人気質のおっさんなんですが、
なんだか今日はとっても寂しそう。
「どうしたの。」
「いや、うち一人息子も33なんだけどさ、何年も部屋から出てこねぇんだよ。」
・・・ひきこもりか。
でもその親を前にすると、
なかなか正直な感想は言えないもんです。
「今、多いらしいね。部屋で何しているの。」
「昼間は寝ているみたいなんだ。夜俺ら夫婦が寝るとゴソゴソ動き出す。」
「ふ〜ん・・・。」
「一晩中パソコンやらゲームやらをやっているらしいんだ。」
「へぇ〜・・・。」
「学生の頃に何かあったらしいんだよ。何かとっても傷ついたんだろうなぁ。」
正直、ちょっと意外でした。
このおっさんなら、こんな子供に対してなら、
当然「ばかやろー出て行けーっ。」って言いそうな人なんです。
私も「そんなの追い出しちゃえばいいじゃん。」なんて、
言いたいのはやまやまだったんですが、
ここまで話した時点には、もうこのおっさん、
目が潤み、鼻声だったんです。
「最後は一家心中かな。あはは。」
一般の会社でいえば、このおっさん、
私の部下になるもんですから、
何か助けてあげられるような、
気の利いた一言がいえれば良かったんですが、
結局言葉につまり何も言えませんでした。
「ひきこもり」。
身近になければ、
「そんなもん、ひきこもりを許す親が悪い!!。」
の一言ですませていましたが、
この涙声を聞いてしまうと、そうは言えませんでしたね。
ちょっともらい泣きしちゃいました。
子供がたとえいくつになったって、
親は子供を守ってあげたいもんなんです。
たとえ自分の命に代えてでも・・・。
だから、何かに傷ついた、
子供の心の回復を心から待っているんです。
それは私も親の端くれだから痛いほど分かります。
ただ、それに甘えてひきこもっている、
私とさほど年齢の変わらぬガキどもよ。
一言いわせてもらうよ。
親はお前らより先に死んじまうんだぞ。
お前らを残して死ぬ、
親の気持ちを考えてみやがれってんだ。