「無痛」「第五番 無痛 II」(幻冬舎文庫)


久しぶりのD番で貯金の読書ネタ。
こちらは母に薦められて読んだんですが、
意外や意外にあまりにも面白くて、
自分で続編まで買ってしまいました。




無痛 (幻冬舎文庫)

無痛 (幻冬舎文庫)

第五番 無痛? (幻冬舎文庫)

第五番 無痛? (幻冬舎文庫)





外見だけで抱えている病気がわかる、
天才医師・為頼英介。




【無痛】
神戸の住宅地で起きた一家四人殺害事件。
その凄惨な犯行現場から、
犯人が精神障害である疑いは強まるが。
一向に捜査はすすまない。
そこに精神障害児童施設の14歳の少女が、
自分が犯人であると告白したという情報が。。。




【第五番 無痛 II】
エイズに酷似する肉腫を発見した、
創陵大学准教授の菅井は、
新種ウイルス発見を喜び、
一躍学会の寵児となるも、
治療法を確立出来ない。
やがては菅井本人も、
このウイルスに罹り、
日本中で多発して人々は恐慌する。



著者の久坂部羊さんは、
大阪大学医学部卒業の現役の医師とか。
医師免許を持つ作家は、
故・渡辺淳一氏など珍しくはないけれど、
この方は外務省医務官の経験もあり、
始めは大学病院や大使館の裏話も書いています。
この二作に共通しているのは、
やはり大学病院やWHOが中心となっている、
現代医学の警鐘であって、
また刑法39条*1を問うテーマになっています。
去年、フジテレビ系で、
ドラマ化されていたようですが、
この世界観はR指定でもしない限り、
映像化は難しいかもしれません。




昨夜撮影した森林公園の夜桜

*1:1.心神喪失の行為は、罰しない。2.心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。