「光秀の定理」(角川文庫)


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→ 「明智光秀」関連の記事






光秀の定理 (角川文庫)

光秀の定理 (角川文庫)




君たちに明日はない」シリーズの、
垣根涼介さんの第一作目の歴史小説のこちら。


最も強き者、
最も賢い者が生き残るわけではない。
唯一生き残る者、
それは、変化できる者である。



チャールズ・ダーウィン

いきなりダーウィンの格言から始まって、
若き兵法者の新九郎と、
破戒僧・愚息の"絡み"から、
物語は唐突に始まります。
明智光秀の「本能寺の変」までの、
その足跡を描く作品は数あれど、
その人となりや内面を描くものは、
とても数少ないのですが、
この作品は前出の、
架空の世捨人の二人を、
”友垣”として表現し、
様々な史実のエピソードを交えて、
明智光秀がなぜ「本能寺の変」に至る、
選択をするかに迫ります。




ん?「光秀の定理」??
なんで数学的な題名なんだろうと、
最初から不思議に思っておりましたが、
これは確率論の「モンティ・ホール問題」、
「3囚人問題」を絡ませている、
なるほどの展開でございます。
さすがは垣根さんと唸るばかりの作品。





今年もまだ始まって一ヶ月にもなりませんが、
この作品はとっても面白くて、
おそらく私の年間ベスト5に入ることは確実です。
理系の次男にも是非ススメたい一本です。