「信長死すべし」(角川文庫)


→ 「利休にたずねよ」
→ 「雷神の筒」(集英社文庫)
→ 「ジパング島発見記」(集英社文庫)
→ 「命もいらず名もいらず」【上 幕末篇・下 明治篇】(集英社文庫)



さて雪の予報に踊らされた今日は、
電話番なものでいつもの貯金の読書ネタ。
昨年二月急逝してしまった、
山本兼一さんの文庫化最新作は、
本能寺の変の謎に迫るこの作品。





本能寺の変まで、あと38日。
織田信長明智光秀の当人の他
正親町帝、近衛前久吉田兼和、里村紹巴らから視点で、
淡々とその真実を炙り出すような心理戦を描きます。
要するに「朝廷陰謀説」を支持する内容なんだけど、
読み終えてみると、この説が最も無理がないような気がします。
それだけこの小説の構成がしっかりしているからなのでしょう。
ただ登場人物が帝を「正親町帝」と呼ぶのはどうだろう?
「○○天皇」という呼称は、諡号であって、
崩御した後に贈られるものではないでしょうか。