「陽炎の門」(講談社文庫)



→ 「おもかげ橋」(幻冬舎時代小説文庫)
→ 「霖雨」(PHP文芸文庫)
→ 「銀漢の賦」(文春文庫)
→ 「螢草」(双葉文庫)
→ 「春風伝」(新潮文庫)
→ 「秋月記」(角川文庫)
→ 「無双の花」(文春文庫)
→ 「「いのちなりけり」「花や散るらん」(文春文庫)
→ 「柚子の花咲く」(朝日文庫)
→ 「川あかり」(双葉文庫)
→ 「蜩ノ記」(祥伝社文庫)
→ 「葉室麟」関連の記事




さて今日は、
これから半年ほどの間なくなる、
憂鬱なD番の最終日。
そんな訳で最近文庫化された、
葉室麟作品の二連発。



陽炎の門 (講談社文庫)

陽炎の門 (講談社文庫)



親友を切腹に追い詰めても、
冷酷非情に藩政を遂行し、
若くして執政に登り詰めた主人公の前に、
自ら介錯した親友の息子が、
仇討ちに現れる。。。



あれ?なんかそんな内容、
葉室麟さん、前にもありませんでしたか?
いつもお馴染みのドロドロとした権力争いの中に、
武士の矜持、友情と確執、夫婦愛が描かれていて、
他の葉室作品と混同しそうになりましたが、
この作品は葉室麟さんには珍しい、
大どんでん返しが二度あり驚きました。
帯に「著者最高傑作」とありますが、
なるほど納得です。
ただ「最高に好きか?」
と、聞かれればどうだろう?
「最高に引き込まれた」のは事実で、
これも寝る間を惜しんで、
二度読了してしまいました。

「潮鳴り」(祥伝社文庫)


→ 「陽炎の門」(講談社文庫)
→ 「おもかげ橋」(幻冬舎時代小説文庫)
→ 「霖雨」(PHP文芸文庫)
→ 「銀漢の賦」(文春文庫)
→ 「螢草」(双葉文庫)
→ 「春風伝」(新潮文庫)
→ 「秋月記」(角川文庫)
→ 「無双の花」(文春文庫)
→ 「「いのちなりけり」「花や散るらん」(文春文庫)
→ 「柚子の花咲く」(朝日文庫)
→ 「川あかり」(双葉文庫)
→ 「蜩ノ記」(祥伝社文庫)
→ 「葉室麟」関連の記事




潮鳴り (祥伝社文庫)

潮鳴り (祥伝社文庫)





さて本日二本目の葉室麟作品は、
ようやく文庫化されました、
直木賞受賞作「蜩ノ記」と同じ、
豊後・羽根藩を舞台にした第二弾。




お役目に不手際があり、
御役御免となって、
隠居して漁師小屋で、
酒浸りの日々を送る主人公・櫂蔵。
襤褸蔵と呼ばれるほどに身を落とす。
しかし家督を譲った腹違いの弟が切腹
酒を絶ち、再び出仕に就いて、
弟の無念を晴らそうと奔走する。
次第に武士の矜持を取り戻す櫂蔵。
酌婦・お芳との淡い恋、
継母・染子との確執、
そして胸のすくような逆転劇。
葉室麟作品らしい、
ほろ苦く爽やかな後味。
こっちの方が好きだな俺氏。



「落ちた花は二度と咲かぬ。」



「二度目に咲く花はきっと美しいと思う。
一度目は傲慢に咲くが、
二度目は苦しみ悲しみを乗り越えて、
そうありたいと願って咲くから。」