西國三十三所順打ち巡礼記

旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】

香取市府馬 宇賀神社 ~府馬の大クス〜 (府馬城跡)

国指定天然記念物(府馬之大楠)
祭神 宇気母知神
289-0411 千葉県香取市府馬2395




makoto-jin-rei.hatenablog.jp




さて本来今日の日曜日は、
某バイク仲間との、
ツーリングの計画がありましたが、
今にも雨が降りそうなもので、
昼過ぎまで実行を協議したものの、
止むなく中止を決断しました。
さて、午後からナニすんべか。
まだ一応県を跨ぐ外出は控えよう。
「神仏探偵」に載っている、
千葉県内の御神木でまだ未訪問は、
香取市「府馬の大クス」
勝浦市上野村ノ大椎」
勝浦市「高照寺ノ乳公孫樹」
の、三柱のみ。
さすがに今から勝浦は、
ちょっち厳しい。
ならば香取にすんべか。
昨日に引き続いて、
実母を誘ってみましたら、
「行く行く」との二つ返事デス。



府馬の大クス(国指定天然記念物)



水田に突き出した標高47mの丘陵地の坂道を登りつめた所に、どっしり構えている府馬の大クス。小さなお社が祀られている境内一面を枝が覆っているため、辺りは日中でもほの暗く、鳥居をくぐって一歩踏み込むや、巨樹の放つ「気」に圧倒されます。根は隆起し、幹は凹凸が多く、枝の張りは約16mから18mに及ぶ大樹大クスは、実はタブノキです。周囲にも大きいタブノキの木が数本ある中、北方に一樹、斜めに成長している木を「子グス」と呼んでいます。今では独立した木のようですが、江戸時代の元禄年間に大クス北側の枝が地上に垂れて根を張った木です。



これらのタブノキがある宇賀神社は、宝亀4年(773年)宇気母知神を勧誘したことに始まる府馬地区でも古い神社です。一帯は府馬城跡で、中世、府馬氏が砦を構えていました。



なお、府馬の大クスは、大正15年10月20日に国指定天然記念物となり、また平成13年には環境省の「かおり百選」にも選定されました。



府馬の大クス:香取市ホームページより引用〜


事前に香取市の公式サイトで予習すると、
これまたかなり期待が出来そう。
午後1時に船橋市内の実家を出発しますた。





宇賀神社の鳥居




午後2時半に府馬の大クスのある、
宇賀神社にトウチャコです。
公式サイトには、
宝亀4年(773年)宇気母知神を勧誘」
と、ありますが、
どちらのお稲荷様なのか、
詳細は不明デス。



鳥居越しに見た府馬の大クス  府馬の大クス




鳥居越しに見た府馬の大クス。
正式にはタブノキだったねぇ。
いや、こりゃスゴイよマジで。
樹齢は推定1300~1500年。



府馬の大クス



写真ではなかなか迫力が伝わらなく残念デスが、
クスノキ科の木でこんなデカい木初めて見たよ。
正直母子共に腰が抜けそうになっております。




「天然記念物府馬之大楠」碑  「天然記念物府馬之大楠」碑裏



大正十五年(1926)に、
国の天然記念物に指定された時に建てられた、
「天然記念物府馬之大楠」
が、ありました。




宇賀神社社殿  宇賀神社社殿裏





宇賀神社の社殿は小さなものですが、
なかなかの佇まいで雰囲気があります。




天満宮の小祠  大クス資料館



宇賀神社社殿の左に、
天満宮の小祠が三基と、
まるで守衛所のような、
「大クス資料館」があります。



展示物1   展示物2




中には記帳用の台と筆記用具、リーフレットの他に、
大正十四年(1925)や昭和二十三年(1948)の大クスの写真や、
「日本タブノキ見立番附」が貼られています。
平成七年(1995)の番付デスが、
東の大関に、
「千葉山田町山の台府馬の大クス」
と、あります。
てか、これよりスゲェ横綱いるんか!?




府馬の大クス  根元樹洞の蓋?



しっかしホントスゴイ迫力。
根元に室?樹洞がありますが、
人が悠々入れそうな入口に、
何やら蓋のようなものがされています。




幹上部樹洞の人工物  飲み込まれた小祠




地上数メートル上にも、
何やら人工物がありますが、
根元近くにどうやら巻き込み飲み込んで、
成長してしまったような小祠が見えます。
どうやら正徳元年(1711)の銘があるとか。



江戸時代「下総名称図絵」に描かれた大クス




江戸時代後期の「下総名称図絵」にも、
根元に小祠がいくつか描かれておりますが、
これが食い込んでしまったのでしょうか。



府馬の大クスと子グス




大クスの北側7mほどの場所に、
少し斜めになった別のタブノキがありますが、
これが先ほどの「下総名称図絵」の、
左側に描かれたもので、
公式サイトにも載っていた、
元は繋がっていた「子クス」デス。


支えられた大枝  大クスを仰ぎ見る





見飽きることもなく、
木の回りをぐるぐると回り、
しばらく眺めていると、
何かのサークル仲間らしき、
五、六名様の団体が車で登場。
お話をしてみると、
新聞のいとうせいこう氏の書評を見て、
「神木探偵」を購入した方が、
お仲間数人を誘って、
「神木探訪」をしているんだとか。
ワタシが著者の本田不二雄さんと、
交流があるとお話しすると、
「本面白いです。よろしくお伝え下さい」
と、伝言をたまわりました。
実は母も本田さんと面識がありまして、
母はしっかりと仏像の本もセールス。(笑)




折れた幹と思われる木材



さて大クスの東側に、
朽ち果てた大きな木の塊がありました。
ひょっとするとこれは、
平成二十五年(2013)の台風で折れてしまったという、
大クスの大きな横枝なのかもしれません。



大クス展望公園  



大クスの北側は、大クス展望公園で、
広場の北東に展望台が設置されていました。
大クスのある場所は山ノ下城跡とされ、
南西に府馬城跡があったとされていましたが、
最近の研究ではこの一帯が府馬城だったとか。



大クス展望公園の案内  田園空間周辺マップ



府馬城の最初の築城は、府馬氏三代の、
正中元年(1324)の頃だそうで、
公園には城のものと思われる柱穴だけでなく、
弥生時代から奈良時代にかけての、
住居跡がみられるそうです。




展望台からの眺望   展望台から大クスを見下ろす




展望台からの眺望はなかなかですが、
肝心の大クスは子クスの陰で、
正直よく見えません。





【参考資料「大クス資料館」リーフレット
「府馬の大クス」リーフレット1  「府馬の大クス」リーフレット2