西國三十三所順打ち巡礼記

旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】

「雷神の筒」(集英社文庫)


雷神の筒 (集英社文庫)

雷神の筒 (集英社文庫)



ある程度信頼出来る太田牛一の「信長公記」に、
ほんの数箇所に名前の記述がある、橋本一巴。
史実としてはまったく不明な人物ですが、
信長公記」には織田信長の鉄砲師範であるとあり、
朝鮮出兵にも鉄砲頭しとて従軍しているとか。




若き信長が、まだ弱小大名であった時代から仕え
その戦国の世に押し上げた鉄砲の師範でありながら、
歴史に名が残るほどの出世をしていないのは、
信長に疎まれていたからか・・・。
と、いう想像を元に、
一人の鉄砲馬鹿を史実の流れの中に置き描きます。




こりゃ久しぶりに面白い時代小説だねぇ。
山本兼一さんといえば、
去年の下半期の直木賞
利休にたずねよ」を受賞したばかり。
デビュー作は、信長とその鷹匠・小林家鷹を描いた、
「白鷹伝 戦国秘録」。
二作目は、信長と安土城築城の棟梁・岡部又右衛門父子の、
火天の城」。
そしてこの三作目が「雷神の筒」で、
山本氏の文庫化第一作となりました。
「信長三部作」の完結編だそうで、
文庫化は順番が変わりました。
他の前二作も是非読みたいなぁ。




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