「雷神の筒」(集英社文庫)


雷神の筒 (集英社文庫)

雷神の筒 (集英社文庫)



ある程度信頼出来る太田牛一の「信長公記」に、
ほんの数箇所に名前の記述がある、橋本一巴。
史実としてはまったく不明な人物ですが、
信長公記」には織田信長の鉄砲師範であるとあり、
朝鮮出兵にも鉄砲頭しとて従軍しているとか。




若き信長が、まだ弱小大名であった時代から仕え
その戦国の世に押し上げた鉄砲の師範でありながら、
歴史に名が残るほどの出世をしていないのは、
信長に疎まれていたからか・・・。
と、いう想像を元に、
一人の鉄砲馬鹿を史実の流れの中に置き描きます。




こりゃ久しぶりに面白い時代小説だねぇ。
山本兼一さんといえば、
去年の下半期の直木賞
利休にたずねよ」を受賞したばかり。
デビュー作は、信長とその鷹匠・小林家鷹を描いた、
「白鷹伝 戦国秘録」。
二作目は、信長と安土城築城の棟梁・岡部又右衛門父子の、
火天の城」。
そしてこの三作目が「雷神の筒」で、
山本氏の文庫化第一作となりました。
「信長三部作」の完結編だそうで、
文庫化は順番が変わりました。
他の前二作も是非読みたいなぁ。




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