「黒澤明 DVDコレクション」17『どですかでん』

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黒澤明 DVDコレクション」 
→ 1『用心棒』
→ 2『七人の侍』
→ 3『赤ひげ』
→ 4『椿三十郎』
→ 5『天国と地獄』
→ 6『羅生門』
→ 7『乱』
→ 8『隠し砦の三悪人』
→ 9『生きる』
→ 10『蜘蛛巣城』
→ 11『醉いどれ天使』
→ 12『野良犬』
→ 13『静かなる決闘』
→ 14『悪い奴ほどよく眠る』
→ 15『影武者』
→ 16『生きものの記録』
黒澤明監督作品と「スター・ウォーズ」シリーズ 
→ その一その二
→ 「黒澤明という時代」(文藝春秋)
→ DVD「羅生門」その一
→ DVD「生きる」・「赤ひげ」
→ DVD「姿三四郎」・「續姿三四郎」
→ DVD「一番美しく」
→ 「黒澤明」関連の記事








『赤ひげ』以来五年ぶりの、
昭和四十五年(1970)公開で、
黒澤明監督作品、
初のカラー作品となった、
どですかでん』。
原作は『椿三十郎』や、
『赤ひげ』と同じく、
山本周五郎著で、
『季節のない街』を用いています。
主演は『赤ひげ』で、
子役・長坊を演じた頭師佳孝
『赤ひげ』で共演した、
三船敏郎は頭師を、
「こりゃシャンシャンシャンだ」
と言わしめたとか。
初のカラー作品ということもあり、
随所に色へのこだわりが見えます。
また逆に墨汁で影を描いて、
晴天の日を演出したという、
エピソードもあります。
またこの頃不遇だった、
黒澤を支援する為に、
木下恵介市川崑小林正樹が、
働きかけて結成された、
「四騎の会」の第一回作品でもありますが、
結果的にはこの作品は、
興行成績に明らかな失敗で、
黒澤は以後『デルス・ウザーラ』を挟み、
十年間に渡り日本映画界から遠ざかり、
四騎の会は本作と、
小林の『化石』の二本のみで、
自然消滅してしまいます。
ちなみに「どですかでん」は、
主人公の六ちゃんにしか見えない電車が
レールの継ぎ目を越えるときの、
音を模したもので、
原作者、山本周五郎が創作した造語とか。