「軍旗はためく下に 増補新版」(中公文庫)


さて今日は、
午前中在宅の事務処理で、
自宅で昼飯を済ませてから、
午後は"本社で"、
"リモート会議"(?)。
てな訳で本日も貯金ネタです。





軍旗はためく下に-増補新版 (中公文庫)

軍旗はためく下に-増補新版 (中公文庫)



昭和四十五年(1970)の、
第63回直木賞受賞作のコチラを、
ワタシが初めて読んだのは、
おそらく中高生の頃と記憶しておりますが、
当時は日教組のセンセー方が、
「日本は侵略戦争をしたとても悪い国」
という教育を受けておりましたから、
さほど物珍しくもない、
反戦作品の一つという印象。

深作錦司監督の映画化も、
一二度観た覚えがありますが、
やはり同じ感想でした。

陸軍刑法の裁きのもと、故国を遠く離れた戦場で、弁護人もないままに一方的に軍律違反者として処刑されていった兵士があった。理不尽な裁きによって、再び妻とも恋人とも会うことなく死んだ兵士の心情を、憤りをもって再現し、知られざる戦場の非情を戦後世代に訴える、直木賞受賞の著者代表作。

今回これに著者の、
「自作エッセイ収録」で、
「増補新版」として文庫化され、
書店に平積みにされてたので、
購入して読んだみた次第ですが、
やはり今のご時世、
また自分のこの年齢ともなると、
感想は全く異なるものデス。
あくまで仮名で地名を代え、
当事者からの聞き書きという、
フィクションの形式を取っていますが、
これが果たして大衆小説の文学賞である、
直木賞の対象なのか?疑問ですが、
帯の浅田次郎氏の推薦文にもある通り、
「文学の底力」を強く感じました。
日本の歴史の恥部ですが、
この作品も息子達二人に勧めようと思います。