「ハナ肇とクレイジーキャッツ」賛歌

50周年記念ベスト 日本一の無責任大作戦

50周年記念ベスト 日本一の無責任大作戦




高校生の頃、パンク・ロックが大好きだった私。
友達ではなかった一風変った老けた同級生に突然、
クレージーキャッツの代表曲が、
全部録音されているカセットをもらいました。




「本当のパンク・メッセンジャー青島幸男なのだよ。」
と、おっさんのような不気味な笑顔。





その頃の私にとって、
青島幸男さんは「意地悪ばあさん」にすぎず、
ハナ肇さんも植木等さんも谷啓さんもただの俳優だと思っていました。
それが大昔のコミックバンドだと知って興味はどん引き・・・。




・・・だけど暇つぶしになんとなく聴いてみると、こりゃ面白い。
そして面白いだけでなく、
哀しさと切なさと、生きる喜びに溢れています。




高校生の頃の私といえば、
一晩中、ヘッドホンでボリュームを最大にして、
パンクロックやレゲエを聴いていたりする他にも、
ロン毛のチャラチャラした外見とは裏腹、
マルクス・レーニン主義に興味を持ったり、
三島由紀夫を読み漁ったり、
歎異抄清沢満之に、訳も分からず納得したりして、
あんなことやこんなこと、
・・・etc.etc.(自主規制。消滅時効成立済。)




ついには潔癖症になって、
一日に何度もシャワーを浴び、
一晩中手を洗っていたこともあるほどです。
正直なとこ、ちょっと狂っていたんだと思います。




パンクロックの旗手、セックス・ピストルズや、
ジョン・レノンの謳う、
「無政府」や、「無宗教」に、心惹かれていた私。
ホントはよく分かってなかったんですけれど、
そのもらったカセットを聴き、
それよりも何十年も前に活躍していた、
クレイジーキャッツの謳う「無責任」と重ね合わせ、
ようやく分かりかけました。
高度成長期に総国民が馬車馬のように働いている時代に、
後のイギリスのパンクロッカーに先駆けて、
青島幸男さんは、堂々と「無責任」を主張していたのです。




「スーダラしてても、明日があるから、ドントいけば、
青い空と白い雲があれば、そのうちなんとかなるんです。」




今となっては「サラリーマンは気楽な稼業。」なのも、
まったく否定出来ない事実。




現在の私の単純な思考回路、
「ま、いいか。」は、
UKのパンクロッカーと、日本の高度成長期のコミックバンドの、
「無○○」の境地のごちゃまぜな融合により、
生み出されたものなのです。(笑)




しかしながら、
セックス・ピストルズに、ジョニー・ロットン
ザ・クラッシュに、ジョー・ストラマーという、
「ヴォーカル」がいなければ、その二つのバンドが成功しなかったように、
クレイジーキャッツには植木等さんの「唄」が必要だったのです。
それほどまでに植木等さんの唄には、強いメッセージ力がありました。




セックス・ピストルズが、シド・ヴィシャス
ザ・クラッシュが、ミック・ジョーンズ、
クレイジーキャッツ谷啓さんだけのヴォーカルでは、
まるで、ローリング・ストーンズが、
キース・リチャーズだけのヴォーカルだけになるようなものなのです。




・・・すみません。
訳の分からない長い記事になってしまいましたが、
そんな訳で、我が人生の恩人の一人、
植木等さんのご冥福を心からお祈り申し上げます。




ありがとうございました。



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