「史実を歩く」(文春文庫)


→ 第二次吉村昭プチマイブーム
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なぜか、二年前の訃報を聞いた時には、
まったく記事にしておりませんが
吉村昭さんは最も好きな歴史小説家の一人です。




五年半前、習志野に引っ越してくる前は、
荒川区のすぐ近くの足立区に住んでいたので、
荒川区の図書館によく通いました。
そこに充実していた「郷土の作家」コーナーで、
初めて本格的に吉村昭さんの小説にハマりました。




史実を歩く (文春文庫)

史実を歩く (文春文庫)




最近、初めて文庫化された、
この編集余話ともいえる随筆(?)集を読んでみました。




正直、吉村昭氏の小説は時に恐ろしいほどまでに、
退屈なことがあります。
部分的には、
司馬遼太郎のドラマ性もなく、
池波正太郎の人間味もなく、
藤沢周平のような景色も見えません。
淡々とした史実の羅列です。




それは、その念密事実調査を重ねた、
この取材を裏切らない姿勢であり、
小説を書く方針そのものだったのですね。




桜田門外ノ変」の日の雪がいつ止んだのか。




吉村昭氏は、
それを全身全霊を傾けて調査していたのです。
すげぇ〜な〜。




私もそんな仕事がしたいものです。




文芸評論家の磯田光一氏は・・・、
「彼ほど史実にこだわる作家は今後現れないだろう。」
・・・と、語っていたとか。まったくだねぇ〜




なんだか、もう一度、読み直してみたくなりました。
吉村昭氏のその姿勢を知って読めば、
隠れていた「ドラマ性」や「人間味」、
そして色鮮やかな「景色」がきっと見えてくることでしょう。




第三次吉村昭マイブームの到来か。(笑)




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