西國三十三所順打ち巡礼記

旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】

「それからの海舟」

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それからの海舟 (ちくま文庫)

それからの海舟 (ちくま文庫)




過去に「マイブーム」があった通り
勝海舟は大好きです。




ただし「それから」以降の勝は、
確かにあまりかっこよくはないと記憶しています。




つまり、西郷との会談により、
江戸城無血開城を成し遂げた「それから」の勝は、
赤坂・氷川の屋敷で、
自慢話・ひがみ話を、
「あっしはねぇ〜」と、
若い者にたらたらと披露していただけと思われているからです。




著者の半藤一利さんは、東京生まれの、長岡育ちという、
薩長土を、「官軍」ではなく「西軍」と呼びたい、
土壌に育ったスペシャリスト。
海舟を「勝っつぁん」と親しげに呼びます。




ふ〜ん・・・。
勝っつぁん、
「それから」も大仕事してんじゃん。




私も今まで勝海舟に関する様々な本を読み漁りましたが、
今回初めて知った情報も多々ありました。




ちくま文庫でこんなにくだけた文章も珍しい。




勝の下手くそな句に、今の心情が重なって愕然。



車引き 車引きつつ 過ぎにけり

ご丁寧にご本人の解説。



「これは車夫が、
車を随分引いたから、
なにか商売を代えようと思いつつも、
やはり車を引いていて、
とうとう転業の機会がなく、
それで一生を過ごす
ところを詠んだのだが、
浮世はみなこのとおりだヨ。」(氷川清話)


てやんでぇ〜、麟太郎めぇ。(笑)





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