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- 作者: 宮部みゆき
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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「模倣犯」の主要登場人物だった、
ジャーナリスト・前畑滋子を主人公にした、
スピンオフ作品があることは知っていました。
産経新聞に連載されていたようですね。
スピンオフ系って、かがっかりすることが多く、
あんまり興味もなかったので、
すっかり忘れておりましたが、
文庫化されたので買ってみました。
「模倣犯」を読んだのは、
もう四年以上も前のことで、
正直もう詳細は覚えていません。
なんだかよく分らないエピソードも多数ありましたが、
でもこれは逆にスピンオフなんかにする必要がなかったのでないか。
・・・と、思ってしまうほどに内容の濃い楽しめる作品でした。
"超能力があったかもしれない"、
早世した12歳の息子の思い出に生きる未婚の中年女性。
長女を手にかけて、家の下に埋め、
その上に16年を過ごした夫妻。そして知らなかったその次女。
人びとが求める、己の楽園とはなんなのか。
誰かを切り捨てて得る幸福、楽園はあるのか。
出産、子育ての経験のない、
宮部みゆき氏はまさにこの前畑滋子そのものであり、
だからこそ分る、親の愚かさ。
うん、読み手は今、子育て中の親であるほうが、
身につまされる内容だと思います。
なぜ、宮部みゆきさんは、
これを連続殺人狂気犯の小説のスピンオフにしたのか、
なんとなく分ったような気もします。
が、もう一度、「模倣犯」を読み直してみます。
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